講習会初日。冒頭で国土交通省東北地方整備局の阿曽貢貴機械施工管理官は、「現在整備を進めている復興道路や堤防の供用は1日も早く進めたい。熟練オペレーターの不足や、品質確保、工期短縮という課題を克服するために効果がある情報化施工を広く導入したい」とあいさつした。
◇TS出来形管理実演
講習会1日目は発注者向けで、東北地方整備局、青森、仙台、能代、福島の各河川国道事務所、胆沢ダム工事事務所、東北技術事務所、また関東地方整備局、関東技術事務所から参加者が訪れた。
午前中は、座学による情報化施工技術の概要説明や実際の機器の設定、設計データの作成、精度管理、出来形管理などについて講義が進められた。また、今年度から1万m3以上の土工で使用原則化が施行された「トータルステーション(TS)による出来形管理」の実演・演習も行われた。
ことし3月15日に、国交省官房技術調査課長と総合政策局公共事業企画調整課長の連名で、「情報化施工技術の使用原則化について」という通達が、全国の地方整備局と北海道開発局に向けて出された。
◇使用原則化の通達
通達の内容は、地方整備局などの直轄工事で、1万㎡以上の土工を含む「TSを用いた出来形管理要領(土工編)」が適用できる工事について、原則として情報化施工技術を使用することとし、技術の普及推進と施工の生産性向上、施工品質の確保・向上の両立を図るというものだ。
講習会では、発注者から「普及の障害になっている事柄はなにか」「情報化施工技術のうち、現場で組み合わせて使うべき技術はあるか」などの質問が出され、実際に監督・検査を行う立場での質問が相次いだ。
現在の管理要領について講習会に参加したJCMA情報化施工委員会の小薬賢一委員は「いまの出来形管理の監督・検査要領では、丁張りを打ってあらかじめ決めた場所だけ確認するという“点”の管理になっている。衛星測位ローバーなどを使えば、どの場所でも検査可能な“面”管理が可能になる」と話す。
発注者側の参加者からは「受発注者ともに、こうした講習会の機会を使ってもっとPRしていくべきだ」「地方自治体も含めて、もっと普及活動を展開してほしい」との声も上がった。
情報化施工普及のためには、国の出先事務所や地方自治体にこそ、活用メリットの周知が求められている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年5月24日
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