2013/07/08

【ランドマーク】総事業費20億、15年度着工! 名古屋テレビ塔を耐震改修

名古屋市の繁華街・栄のランドマーク、名古屋テレビ塔の管理会社は、テレビ塔の耐震改修工事を計画している。基本設計は日建設計に委託してまとめたが、実施設計は市が策定した「栄地区グランドビジョン」の構想化に向けた調査進捗に併せて策定するため、2014年ごろに取り掛かる予定。現時点では15年度に着工し、17年度に完了する見込みだ。
 名古屋テレビ塔(1954年開業)は、高さ180m、重さ3300t、敷地面積は1812㎡。 日本初の集約電波鉄塔として中区栄の久屋大通公園に建設され、 11年7月24日まで地上波アナログ放送の電波を送信していた。
 設計は塔博士と呼ばれた内藤多仲や日建設計など、施工は竹中工務店や新三菱重工業などが担当した。地下鉄名城線の栄~久屋大通間の路線がテレビ塔の真下を通っており、塔を支える4脚部が短めにできている。

◇工作物から建築物に

 電波塔としての役目を終えたテレビ塔を観光資源として有効活用していくためには、旧アナログ放送機器室などの改修が必要になる。しかし、改修によって塔体の建築基準法上の扱いが一部「工作物」から「建築物」へと変わり、現行法規に適合しない。また、市の調査によると大地震時に、地上高20-80m付近における鉄骨の強度が不足しており、耐震化が必要であるとしている。
 このため、 適法化と大規模地震に対応した耐震化を目的に耐震改修する。 外観に大きな変化を強いる耐震補強や制震工法は不向きであるため、免震工法を採用する見通し。

◇エレベーターも取り替え

 耐震改修工事に伴い、大幅なリニューアル工事を実施する。内装改修やエレベーターの取り替え工事などを行う。1階部分は工事に併せて取り壊し、工事完了後に建て直す。工期は少なくとも2年はかかる見込み。
 総事業費は約20億円を想定している。うち耐震改修工事に約10億円を充てる。事業費は筆頭株主である愛知県や市などと協議して負担額を決める。
 管理会社は「市の久屋大通公園再整備計画で、PFIやPPPを採用することになれば、公園敷地内に立つテレビ塔の改修計画も大幅に変更する可能性がある。また、免震構造を取り入れる塔脚部には地下鉄・地下街などがあり、配慮が必要だ。関係諸団体と協議を進めながら、15年度の着工に向け準備を進める」という。
 また、現在の水銀灯によるテレビ塔のライトアップから、LED(発光ダイオード)照明への刷新も計画している。テレビ塔竣工60周年を迎える14年6月20日までに完了する見込みだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月8日

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