茨城県警察本部が北茨城市内で現地建て替えを計画している高萩警察署大津地区交番。茨城県建築士事務所協会(横須賀満夫会長)が開催した第2回いばらき建築環境デザインプロポーザルで提案対象となり、大山都市建築設計(筑西市、大山早嗣代表)が最優秀賞に選ばれた。
大津地区は東日本大震災で津波などの被害が出た。応募者に示されたテーマは、復興の地に地域性と環境に配慮し住民に親しまれる『これからのKOBAN』。大山氏は「(警官が)地域の人と普段から交流できる場所にすることをメーンに考えた」という。
まずは、隣地の建物が前面道路までせり出していることから、視認性を高めるため間口全面に庇を配することにした。「庇(かば)う」の文字どおり、「いったんくぐれば安心な場所」との意味も持たせた。
プロポーザルの主題には「木造」も掲げられていた。視認性と維持管理費の低減を意識しつつ、庇の柱に県産の焼杉材、庇を両端で支える壁に杉型枠で木の素材感を出した打ち放しコンクリート、建物の壁の一部には大津地区にある六角堂と同じベンガラ塗りを採用した。
「地域の方と警察が普段から顔を突き合わせていれば防犯につながる」との考えから、屋内には地域住民も使えるトイレ、庇の下には雨宿りや待ち合わせに利用できるベンチも設けた。
13年度末までには、この「KOBAN2.0」が立ち上がる予定だ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月3日
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