TOTOは、浴室事業で高級ゾーンの商品を投入する。在来工法の浴室を選ぶ高級志向のエンドユーザーを取り込むとともに、商品ラインアップの拡充によってシェア拡大につなげる。喜多村円取締役専務執行役員システム商品グループ担当は高級ゾーンの顧客開拓を「新たなチャレンジ」に位置付ける。
8月上旬に発売するシステムバス『シンラ』は、ボリュームゾーン向けに投入する『サザナ』の上位グレードに位置付ける。壁にセラミックウォール、床ではタイル表面のこれまでにない質感を実現するなど心地良さを追求した最高グレードのパーツで構成する。価格は1坪サイズで比較した場合、50万円程度高い設定だ。
住宅の浴室市場ではシステムバスが全体の9割に達するものの、高級志向のエンドユーザーは在来工法による仕上げを選択する傾向が強い。シンラでは「どれだけ在来の層を振り向かせることができるか」(喜多村取締役)を営業ターゲットの一つに掲げる。展開中のリモデルフェアなどを通じて、エンドユーザーだけでなく、設計者への売り込みも展開する。
同社の浴室事業売上高は、2014年3月期に前期比3.5%増の783億円を見込む。シンラはこのうち2%に過ぎないが、徐々に売り上げ比率を高め、3年後には月300台の販売を目指す。4-6月の販売台数ではボリュームゾーンのサザナが前年同月比で40%増を記録していることから、高級ゾーンのシンラも一気に販売攻勢をかける見通しだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月11日
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