林野庁は、スギなどの地域材を活用した木造住宅の新築などに木材利用ポイントを付与し、地域の農林水産品などと交換できる制度「木材利用ポイント事業」を推進している。地域材の需要を喚起する取り組みとして、森林の適正な整備・保全、地球温暖化防止などに貢献し、農村漁村地域の振興につなげるのが狙い。
ポイントの発行対象となるのは木造住宅の新築か増築、購入の場合は2013年度内に着工したもの。スギなどを主要構造材として過半使用する木造軸組工法や、丸太組構法、枠組壁工法を採用し、主要構造材と間柱で対象地域材を材積の過半に相当する量以上を使っていることなども求める。
内装や外装木質化工事の場合は、13年度内に対象地域材が過半を占める建築材料を使用する一定面積以上(床と内壁では9㎡以上、外壁では10㎡以上)の工事であることなどが条件。
例えば、住宅を1棟新築すれば、30万円相当となる30万ポイントが付与される。また、内装木質化工事を約45㎡行うと10万5000ポイントが付与され、地域の農林水産品のほかにも、商品券や農村漁村地域での体験型旅行などに交換できる。施工した事業者が工事と一体的に実施する別の木材を使用した工事費に充てるなど、即時交換もできる。
1日には、ポイント申請の受付開始に当たり、東京ミッドタウン(東京都港区)でPRイベントを開催した。
イベントでは林野庁の末松広行林政部長が日本の人工林の現状などに触れながら「一度手を入れて付き合いだしたものをきちんと使うことが大切だ」と訴え、加治屋義人農林水産副大臣が「森林はきれいな空気や水を生む、まさに命の原点。国民みんなでこれを守ろう」と呼び掛けた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月8日
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