公共建築物の構造や内外装への木材利用を促すため、実際の木造建築プロジェクトの図面などを満載した設計段階の手引書『公共建築物における木材利用の導入ガイドライン』がまとまった。主に校舎や体育館、集会場、展示場といった事務所用途以外の建築物にスポットを当て、写真や設計図を多用しながら全国86の実例などを紹介している。
同ガイドラインは、全国営繕主管課長会議の構成員有志による検討会が作成した。「合理的な建築計画」「建築構造の設計」「建築部位の設計」など全5章で構成。コスト抑制につながった伝統的な架構工法やデザイン上の工夫の仕方など、具体的な技術事項を掲載している。
また、全国から集まった288件のデータをもとに、施工単価や樹種選定の動向も整理した。コストに関しては用途、規模などで相関性は見られず、個々の金額のばらつきが大きかった。部位ごとに使用している樹種をみると、柱や梁、外壁にはスギが最も多く使われ、内部床にはヒノキが多用されていた。
◇国交省HPで入手
ガイドラインの全文は、国土交通省のホームページに掲載中。全国の市町村などに周知し、木造公共建築物の普及拡大を後押しする。さらに、国交省では今後、コスト抑制に焦点を当てた調査を実施する予定。効果的なプランや技術などの情報を集め、2014年度には成果として取りまとめたい考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月30日
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