2014/02/27

【女子力輝く】現場最前線の経験語る 日建連が女性活躍フォーラム

東京都中央区の東京証券会館で25日に開かれた日本建設業連合会の「女性活躍フォーラム」のパネルディスカッションでは、ゼネコン5社で活躍している女性総合職が現場、設計、営業、企画などの一線に携わる視点から「人の目に触れにくいが現場が楽しい」「言葉が感覚的に受けとめられないよう男女の共通言語を模索している」「工期1年の現場を取り仕切り、やり遂げた」などと活発に意見を交わした。また各社が女性社員の交流会や研修に取り組んでいる実態も明らかになった。
 討論では、講演した竹之内幸子ウーマックス社長をコーディネーターに、村上麻優子(鹿島東京土木支店中央環状品川線統合事務所五反田出入口工事事務所)、澤田葉月(清水建設名古屋支店沼津誠恵高校第二体育館作業所)、龍尊子(大成建設営業総本部土木営業本部営業部課長)、森田慧(戸田建設建築設計統轄部計画設計部)、堀川真加(前田建設事業戦略室事業企画部主任)--の5氏がパネリストとして参加した=写真。
 入社の動機は、大規模なものづくりに挑みたいということで共通。仕事の達成感では「阪神・淡路大震災の復旧工事にかかわり被災地に役立っていると実感」(龍氏)、「工期が足りず迎え掘りをして、貫通の光が見えた時」(村上氏)、「昨年、オフィスビルで少ない予算の中、現場と一体となり竣工にこぎつけた」(森田氏)--など現場に関連した体験が多く出された。
 夢については「土木の技術者として一人前となり、だれもやったことのないイノベーションにチャレンジしたい」(堀川氏)、「結婚し子どもをつくっても、工事長となり現場を続けたい。しっかり女性としての声を上げられる人になりたい」(澤田氏)という声もあった。
 建設技術者として厳しさを織り込み済みで入社したが、周囲の環境や対応はやさしく協力的だという意見が多く、コーディネーターの竹之内氏は「男社会の建設業と言われているが、他産業より女性への理解が進んでいる」と感想を述べた。
 ほかにも「男女の差は、差別でなく区分」(澤田氏)、「誰かに助けられてもいい。とにかく続けること」(龍氏)、「この仕事がしたいという強い気持がすべての根っこ」(村上氏)、「電子メールや電話でなく現場に直接出向き意思疎通を図る」(森田氏)、「実力を出せば遇される、そんな風が会社に吹けばいい」(堀川氏)などの「名言」が次々と飛び出した。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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