2014/02/21

【ポイントクラウド】3Dスキャナーで圧倒的に調査効率化!BIM変換も

3Dスキャナーの点郡データ
日比谷総合設備は、3D(3次元)スキャナーを使って、注力するリニューアル分野とソリューション営業を強化する。「現況図がなかったり不備な建物、階高の高い空間や複雑な案件を始め、特に、温度が高く調査環境が過酷な熱源機器まわりでも効率的に調査できる」ことから、「営業ツールとしてのウエートを高めていく」(田家光規東京本店エンジニアリング本部技術企画部長)。墨出し作業と連動した3Dレーザープロジェクターなどへの利用を視野に入れているほか、パノラマビューを竣工図として維持管理に活用したり、ライフ・サイクル・コスト(LCC)展開ツールとして活用していく。
 3Dスキャナーは、離れた場所から高精度な3次元座標(点群データ)を瞬時に取得できる。独FARO社製の3Dスキャナーを使い、計測したスキャンデータと現況図を基に施工図面を作成、ダイテック社製の設備CAD「Tfas」に変換する。一度撮るとデータの取り忘れもない。
 図面から配管の干渉が分かるだけでなく、配管の高さなど、3次元で分かる。
 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)にも変換でき、維持管理業務への展開も視野に入れている。
 「規模の大小や更新内容などにもよるが、従前は2、3人必要としていた調査人員も1人に減り、数日かかっていた現場調査時間は1時間に、2週間程度かかっていた施工図の作成は数日で済む」(東一聡工事統括部課長)など、人材不足の解消や現場調査を省人化・省力化できる。
 高所作業がなくなるため足場なども不要で、安全性も高まる。「無足場で安全に現況調査でき、事前段階の面倒な準備はほとんどない」(田家部長)。また、施主や設計事務所も立ち会い時間や回数が減るほか、「パノラマビューにより情報を取得することもでき、施主やビル管理会社との意思疎通、協業も高まる」(同)という。
 担当する工事統括部の技術者は現在約10人だが、今後、育成も強化する。
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