2014/02/15

【現場の逸品】BIMへつなぐ測定器開発 ライカがレーザー距離計開発から20年

『D810 touch』 撮影した画像から円の直径を計測
ライカジオシステムズ社が、1993年に世界で初めてレーザー距離計を開発してから20年が経った。その間レーザー距離計は大きな進化を遂げた。単に測るだけだった距離計はカメラを内蔵し、タッチスクリーンが搭載され、写真を使った測定ができるようになった。建築CADとの連携を主体にした3次元測定の専用機器もリリースされた。現場での作業効率は飛躍的に向上する。

 同社が昨年リリースした『D810 touch』。本体からレーザーを照射して距離だけを測る距離計とは、大きく異なる。外観はスマートフォンのようで、対象物を内蔵カメラがとらえる。撮影すると、その写真から横幅、面積、円の直径まで導き出す。
 専用の三脚に固定すれば、チルトセンサーとの連携で建物や樹木の高さも測定、法面測定機能もあり、勾配や簡易なレベル出しもできてしまう。
 同社ツールズ事業部の海野園里子さんは「距離計は、巻尺の延長。はるかに効率が上がるのを実感してもらえるはず」と手軽な利用を呼び掛ける。

『3D Disto』 本体に読み込んだ3次元CADからポイント照射
小さな炊飯器のような外見を持つレーザー3次元測定器『3D Disto』は、自動制御機構を持ち、計測器を床やテーブルに置くだけで自動レベリングし、室内の現況を精密に測定できる。
 手元のタッチスクリーン付きユニットから指示を送れば、位置、高さ、距離を把握でき、天井、床、屋根の角度や高低差まで測れる優れものだ。
 測定間隔を指定するだけで、自動スキャンし、平面図や立面図に落とし込む。測定器の位置を記憶させておけば、部屋を移動した測定も可能。逆にポイント照射できるのもメリットだ。普通は2人で作業する天井への鉛直ポイント出しも1人でできる。水平ライン、グリッドなど設計図面からの情報を実際の壁に照射する。
 「建築の見積もり作成や、メンテナンスサービスのためのデータ化に威力を発揮する」と海野さんは話す。
 「まだ現場は紙ベースがほとんど。もっとCADデータを簡単に活用してほしい」。Distoは、タブレットやスマートフォンのアプリとも連携する。測定値を送信し、3次元計測器では、dxf形式でパソコンに送ることが可能だ。また工事写真もjpg形式でメール送信する。
 これら2製品は、建築CADとの連携を基本に開発されただけに、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)へのハードルを取り払ってくれるはずだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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