2014/02/12

【竣功】国内初採用、台形CSGの先駆け 沖縄・億首ダム

内閣府沖縄総合事務局が沖縄東部河川総合開発事業の一環として建設を進めてきた億首(おくくび)ダムが完成した。日本で初めて台形CSGダムが採用され、設計・材料・施工を合理化することで、建設コストの削減や環境負荷の低減に大きく貢献した。また、台形CSGダムの特徴を生かし、洪水吐きにラビリンス堰を採用、洪水調節に大きな効果を発揮する。

 2月1日に開かれた竣工式には、工事関係者や地元地権者らが出席し、完成を祝うとともに、地域の発展・安全を祈念した。ダム本体建設工事は大成・國場・丸政JVが担当。大成建設が開発したICT(情報通信技術)施工管理システムを導入し、ローラー転圧や締固め作業、CSG材料の製造・運搬・打設などをリアルタイムで管理し、手戻りのない合理的な施工を進めた。
 関連する作業データは発注者を含む全工事関係者が情報共有することができ、高品質のダムづくりを実現した。加えて、安全衛生面にも貢献し、大規模で長期の工事を無事故・無災害で完成させ、厚生労働大臣表彰を受賞した。
 同ダムは、洪水調節、水道用水、かんがい用水、流水の正常な機能の維持を目的に億首川にある水道専用の旧金武(きん)ダムを再開発した。北部ダム事務所管内最後の多目的ダムとなり、既存の9ダムと連携し、沖縄の地域振興に大きく貢献することが期待されている。地元からの要望を踏まえ、住民に親しまれ、地域の発展を促すことを期して、金武ダムに名称を変更する予定だ。
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