20日に開かれた自民党の公共工事契約適正化委員会では、品確法の改正案が了承された |
B 自民党の公共工事契約適正化委員会が20日に開いた会合では、条文として盛り込む具体的な文言も示された。昨年12月に作成していた法律改正の方向性から書き加えた条文も多い。基本理念を示した第3条では、将来にわたって公共工事の品質を確保するためには、その担い手を中長期的に育成・確保しなければならないことを盛り込んだ。その基本理念を実現するために、国と自治体が公共工事の品質確保に向けた施策実施を連携していくことも第6条として新設している。
C 改正品確法案には、複数年度契約や複数工事の一括発注、技術提案・交渉方式など、工事の性格や地域の実情に応じた多様な入札契約制度の導入についても盛り込まれる。こうした方式を、技術者が不足している自治体などの発注者がはたして実施できるのか、その支援策も必要に思う。
B 今回示された案でも、多様な入札契約制度を運用するための指針を定めると第22条で明記した。担い手の中長期的な確保・育成に関する施策を自治体が講じるための助言を国がするよう第23条でも掲げている。指針の内容は今後まとめることになるが、自治体に普及・浸透させることは最大のテーマだ。
D 自民党の委員会でも「法律ができても“仏つくって魂入れず”ではいけない。法律をいかに運用するが大事」といった声は多かった。国土交通、総務両省も自治体の理解促進に注力する構えだ
A 多様な入札契約制度でいうと、工事の品質確保という側面が強いようだけど、調査・設計に関してはどうか。
B 第24条で業務の性格や地域の実情に応じた方法を選択することを示しているし、ノウハウや技術を持つ企業・技術者が適切に評価されるため、資格などの評価のあり方を検討して必要な措置を講じるともしている。設計でも工事と同様に柔軟な制度活用になると思う。
E コンサルタント業界は品確法改正への期待が大きい。いくら技術提案しても結局は価格競争となる総合評価より、プロポーザルをもっと増やしてほしいというのが本音だ。
C 工事に関しては品確法に技術提案・交渉方式が打ち出されている。工事版のプロポーザル方式ともいうべき方式の活用にかじが切られている以上、コンサル関係もプロポーザルの増加に傾くのでは。
A 自民党の委員会では設計労務単価をさらに引き上げよ、という声も出たようだけど。
B 国交省の毛利信二土地・建設産業局長が「昨年4月とことし2月の引き上げでもまだピーク時の単価ではなく、これでいいのかという声もある」と発言し、例年10月に実施している労務費調査を早めて実態把握していく考えを表明した。この発言の背景には、品確法改正で掲げる中長期的な担い手の確保・育成には、技能労働者の処遇改善や人材育成に関する経費が必要だという議員などからの指摘もある。だから設計労務単価だけでなく、予定価格の設定など積算体系にも議論が及んできている。
B 国交省内でも「他産業に比べて技能労働者の賃金はまだ低い」という声は2月の引き上げ後も多い。近いうちの再引き上げが必要という主張も聞かれる。毛利局長の発言は、省内の雰囲気を端的に表している気がする。
D 積算体系についても省内では改正品確法の内容に照らして「一般管理費や間接経費の算定方法を調査・検討するという選択肢があるのは当然の流れ」という声がでている。
A 国交省が法律をどう運用していくかが今後の焦点となる。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
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