2014/02/07

【交通安全】横断者注意!光って知らせるシステム、名大教授ら開発

左から新美社長、中村教授、野崎社長
名古屋大大学院工学研究科の中村英樹教授とキクテック(名古屋市南区)、オリエンタルコンサルタンツは、横断歩行者の安全な横断を支援する「横断者感知式注意喚起システム」を共同開発した。
 同システムは、横断歩道の両端に設置した人感センサーで歩行者を感知して、路面に埋め込んだ道路鋲を点滅発光させるとともに、LED(発光ダイオード)表示板に「横断者注意」の文字を表示し、ドライバーに注意を喚起する。
 長野県飯田市、高知市、高知県須崎市の交差点3カ所に試験導入して実験した結果、歩行者の安心感を高める効果などが確認されたため、2013年12月から須崎市の国道に実導入された。
 5日には、名大野依記念学術交流館(名古屋市千種区)で、中村教授と新美政衡キクテック社長、野崎秀則オリエンタルコンサルタンツ社長が記者会見を開催。
 新美社長は、「常時あらゆる方向にむやみに警告するのではなく、必要なとき、必要な側だけに注意を促すのがポイント」とシステムの特徴を紹介。導入コストについては「大きさにもよるが、機材のみで300万円程度」などと説明した。
 野崎社長は、試験導入でシステムの効果を検証したところ、「ドライバーが歩行者を発見するタイミングが平均値で7m手前(16mから23m)になった」ことや、システムの導入により6割を超える歩行者から「安心感が高まった」とのアンケート結果を得たことなどを報告した。
 同システムは、▽無信号の横断歩道▽信号交差点の横断歩道(右左折時)▽左折導流路の横断歩道(無信号の個所)--などへの適用が想定されることから、中村教授は「今後は3者で協力して、適所における効果的な適用方法を検証し、システムの導入を進める」と述べた。
 交通事故当事者の状況別死者数をみると、08年を境に、歩行中の死者数が自動車乗車中の死者数を上回っているほか、歩行中の交通事故死者の7割弱が高齢者で、横断中の事故が高い割合を占めることから、歩行者の安全横断支援が重要な課題となっている。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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