2014/09/04

【建築】新旧ハイブリッドで歴史を未来につなぐ 日本橋ダイヤビルディング

1930年に完成した三菱倉庫の本店オフィス・江戸橋倉庫ビルの増築・改修が竣工を迎え、「日本橋ダイヤビルディング」=写真=と装いも新たに日本橋の街にその姿を現した。日本初の都市型倉庫として建設された歴史的価値を踏まえ、外壁の7割と躯体の4割を残したまま中央部を解体し、高層棟を増築した。

流用したエレベーターインジケーター
保存した低層部外壁は旧来どおりの本店オフィスとトランクルームで構成したほか、高層部はテナントビルとして業務機能を拡充した。また、エレベーターインジケーターや床大理石、金庫扉といった部材も旧江戸橋倉庫ビルのものをそのまま流用し、生きた建築の歴史として残している。
 設計を担当した三菱地所設計の柴田康博建築設計四部副部長は「長年都市のシンボルだったため、外観は工事直前の姿を踏襲し歴史的な連続性を持たせた。ただ建築を残すだけでなく、景観を残したかった」と設計を振り返った。また設計とともに施工を担当した竹中工務店の濱野裕司設計部設計ISD部長は「単純に壊すのではなく、新しいものと古いものをどうハイブリッドするかを重視した。歴史を未来につなげる建築になったと思う」と語った。
 同ビルは2007年には東京都選定歴史的建造物に選定された。所在地は東京都中央区日本橋1-19-1。構造・規模は既存RC、地下・低層部(新築部)SRC、高層S造地下1階地上18階建て延べ3万0012㎡。設計・監理は三菱地所設計・竹中工務店、施工は竹中工務店が担当した。
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