石川県建設業協会(北川義信会長)は26日夜、土木系高校生の保護者との初めての意見交換会を金沢市内で開いた。保護者からは建設企業への入社後のライフサイクルや仕事内容など基本的事項についての質問が相次ぎ、協会側の説明にその都度うなずいたり、得心する場面が見られた。意見交換を終えた保護者からは「実態がよく分かって安心した」などの感想が聞かれた=写真。
意見交換は同建協会員にとっても喫緊の課題となっている若年人材の確保を図るため、高校生の進路決定に影響力を持つ保護者と直接話し合い、建設業への理解を深めてもらうことで入職へつなげていこうと企画された。
今回は金沢市立工業高校土木科の1、2年生の保護者15人と、協会の北川会長を始め、建設青年委員会のメンバーら9人が出席した。保護者は父親5人、母親10人で、高校の教諭らも同席した。
最初に北川会長が、担い手不足が深刻化している建設業の現状や社会的役割を説明した上で、「ものづくりの喜び、地図に残る仕事に携わる喜びを子どもたちに味わせてもらえたら幸いだ。建設業を理解頂き、入職をお願いしたい」と訴えた。意見交換に先立ち、地域建設業の果たしている役割を紹介したDVD放映と、石川県内の公共事業の概要が説明されたあと、自身も同高校の卒業生である建設青年委員会の北川吉博委員が「現場技術者」について仕事内容や入社後のライフサイクルを分かりやすく解説した。
これらの説明を踏まえ進められた意見交換では、「建設業に就職する場合、高校で取得しておいた方がいい資格はあるのか」(母親)、「女子でも採用するのか」(父親)、「説明を聞いてすてきな業種だと思った。子どももインターンシップを経験し、建設企業に就職したいと言っているが、募集枠や入社試験の実態が分からず、本当に就職できるか不安な部分がある」(母親)などの質問が上がった。
また、「高卒と大卒で入社後の出世などで違いは」(母親)、「現場での仕事は遠隔地で長期間にわたることもあるのか」(同)など、入社後の待遇や就労環境について不安を抱く保護者もいた。
オペレーターなどの技能職と現場技術者との違いを認識していない質問も多く、協会担当者は「定時で帰れるからという理由でオペレーターを志向する人も多いが、現場監督はコミュニケーション力が求められ、現場をまとめていく仕事だ」と技術者の魅力も強調。「各社ともインターシップを受け入れているので、ぜひ参加して仕事の実態を見てほしい。その上でオペレーターになるのか、現場監督を目指すのか先生とも相談してほしい」とのアドバイスに保護者たちは一様にうなずいていた。
不安顔の保護者に対し、協会側は建設青年委員会のメンバーが積極的に説明に立ち、自身の若いころの経験や現在の経営者としての考え方をユーモアも交えて率直に披露。保護者の共感をかっていた。
会合終了後、ある保護者は「仕事の内容や入社後のことがよく分かったので、非常に良かった」と感想を述べた。別の保護者も「入社前までのシステムや採用についての考え方を知ることができ、とてもためになった」と評価していた。
石川建協は昨年度から県内の土木系学科を持つ高校を対象に、協会役員が出向き高校生と直接の意見交換会を実施しており、保護者との意見交換はその延長線上で企画された。今回参加した保護者の多くにとっては、抱いていた不安を払拭できる絶好の機会となったようだが、建設業にとっても、メディアを通じた広報展開とは別に、建設業を理解してもらう上で関係者による直接対話や具体的な情報発信が極めて有効であることを確認できた場となったといえそうだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
意見交換は同建協会員にとっても喫緊の課題となっている若年人材の確保を図るため、高校生の進路決定に影響力を持つ保護者と直接話し合い、建設業への理解を深めてもらうことで入職へつなげていこうと企画された。
今回は金沢市立工業高校土木科の1、2年生の保護者15人と、協会の北川会長を始め、建設青年委員会のメンバーら9人が出席した。保護者は父親5人、母親10人で、高校の教諭らも同席した。
最初に北川会長が、担い手不足が深刻化している建設業の現状や社会的役割を説明した上で、「ものづくりの喜び、地図に残る仕事に携わる喜びを子どもたちに味わせてもらえたら幸いだ。建設業を理解頂き、入職をお願いしたい」と訴えた。意見交換に先立ち、地域建設業の果たしている役割を紹介したDVD放映と、石川県内の公共事業の概要が説明されたあと、自身も同高校の卒業生である建設青年委員会の北川吉博委員が「現場技術者」について仕事内容や入社後のライフサイクルを分かりやすく解説した。
これらの説明を踏まえ進められた意見交換では、「建設業に就職する場合、高校で取得しておいた方がいい資格はあるのか」(母親)、「女子でも採用するのか」(父親)、「説明を聞いてすてきな業種だと思った。子どももインターンシップを経験し、建設企業に就職したいと言っているが、募集枠や入社試験の実態が分からず、本当に就職できるか不安な部分がある」(母親)などの質問が上がった。
また、「高卒と大卒で入社後の出世などで違いは」(母親)、「現場での仕事は遠隔地で長期間にわたることもあるのか」(同)など、入社後の待遇や就労環境について不安を抱く保護者もいた。
オペレーターなどの技能職と現場技術者との違いを認識していない質問も多く、協会担当者は「定時で帰れるからという理由でオペレーターを志向する人も多いが、現場監督はコミュニケーション力が求められ、現場をまとめていく仕事だ」と技術者の魅力も強調。「各社ともインターシップを受け入れているので、ぜひ参加して仕事の実態を見てほしい。その上でオペレーターになるのか、現場監督を目指すのか先生とも相談してほしい」とのアドバイスに保護者たちは一様にうなずいていた。
不安顔の保護者に対し、協会側は建設青年委員会のメンバーが積極的に説明に立ち、自身の若いころの経験や現在の経営者としての考え方をユーモアも交えて率直に披露。保護者の共感をかっていた。
会合終了後、ある保護者は「仕事の内容や入社後のことがよく分かったので、非常に良かった」と感想を述べた。別の保護者も「入社前までのシステムや採用についての考え方を知ることができ、とてもためになった」と評価していた。
石川建協は昨年度から県内の土木系学科を持つ高校を対象に、協会役員が出向き高校生と直接の意見交換会を実施しており、保護者との意見交換はその延長線上で企画された。今回参加した保護者の多くにとっては、抱いていた不安を払拭できる絶好の機会となったようだが、建設業にとっても、メディアを通じた広報展開とは別に、建設業を理解してもらう上で関係者による直接対話や具体的な情報発信が極めて有効であることを確認できた場となったといえそうだ。
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