東京都世田谷区に本拠を置くi-tec24はエレベーターの保守管理を専門とするメンテナンス会社。同社は社会貢献活動の一環として「緊急時エレベーター閉じ込め救出訓練」というユニークな取り組みを行っている=写真。社長の岩本由起子さんによると、きっかけは東日本大震災。「あの地震でエレベーターが止まってしまい中に閉じ込められる事故が多発しました。エレベーターの保守管理会社としては他人ごとではないと思い救出訓練を始めました」と語る。
じっさい、東日本大震災ではエレベーター大手5社で257件の閉じ込め事故が発生、救出に10時間から丸1日要したケースもあったという。1981年以降のエレベーターは基本的に地震を感知して最寄階に自動停止する仕組みになっているはず。しかし、現実にはうまく機能せず閉じ込め事故が起きたという。緊急停止装置が付いているから安心とは必ずしも言えないようだ。
では、万一エレベーター内に閉じ込められた場合はどうしたらよいのか。「現状では、保守会社やレスキュー隊による救助を待つしかありません。普通なら数分から1時間程度で救出されますが、大規模災害の場合は同様の事故が多発するうえ、道路が寸断されて現場に到着するのに時間もかかるでしょう。そこで必要となるのが、建物の所有者や管理者、住民自身による自力救出です」(岩本さん)。
「とはいえ、自力での救出にはノウハウが必要ですし、危険も伴います。専門家によるレクチャーや訓練がぜひとも必要です。そこで始めたのが当社の救出訓練。現在のエレベーターはほとんどがロープ式ですが、メーカーや機種によって違いもあります。メーカーを問わずメンテナンスしている当社ならではのノウハウを生かして訓練を行っています。当社が管理しているエレベーターはもちろんですが、そうでない場合でも気軽に声をかけていただけば訓練にうかがいます」とのこと。ボランティアなので訓練は基本的に無償だ。マンションの管理会社、管理組合などを対象に要請があれば随時開催している。
岩本さんは「防災の基本は自分の身は自分で守ること。これからもそのためのお手伝いができればと思います」と力強く語ってくれた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
じっさい、東日本大震災ではエレベーター大手5社で257件の閉じ込め事故が発生、救出に10時間から丸1日要したケースもあったという。1981年以降のエレベーターは基本的に地震を感知して最寄階に自動停止する仕組みになっているはず。しかし、現実にはうまく機能せず閉じ込め事故が起きたという。緊急停止装置が付いているから安心とは必ずしも言えないようだ。
では、万一エレベーター内に閉じ込められた場合はどうしたらよいのか。「現状では、保守会社やレスキュー隊による救助を待つしかありません。普通なら数分から1時間程度で救出されますが、大規模災害の場合は同様の事故が多発するうえ、道路が寸断されて現場に到着するのに時間もかかるでしょう。そこで必要となるのが、建物の所有者や管理者、住民自身による自力救出です」(岩本さん)。
「とはいえ、自力での救出にはノウハウが必要ですし、危険も伴います。専門家によるレクチャーや訓練がぜひとも必要です。そこで始めたのが当社の救出訓練。現在のエレベーターはほとんどがロープ式ですが、メーカーや機種によって違いもあります。メーカーを問わずメンテナンスしている当社ならではのノウハウを生かして訓練を行っています。当社が管理しているエレベーターはもちろんですが、そうでない場合でも気軽に声をかけていただけば訓練にうかがいます」とのこと。ボランティアなので訓練は基本的に無償だ。マンションの管理会社、管理組合などを対象に要請があれば随時開催している。
岩本さんは「防災の基本は自分の身は自分で守ること。これからもそのためのお手伝いができればと思います」と力強く語ってくれた。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)
0 コメント :
コメントを投稿