2014/09/07

【素材NOW】「コンパクトで管理しやすいサーバ構築」に応えるシュナイダーエレクトリック

「地方自治体への“ハイタッチ営業”が増えてきた」と話すのは、シュナイダーエレクトリック(東京都港区)の有本一ビジネスデベロップメント本部長。新庁舎の建設に合わせてサーバールームを再構築した兵庫県豊岡市に、同社の製品群が全面採用された。

 サーバールームのシステム選定では、メーカー各社のUPS(無停電電源装置)の性能差に優劣を付けにくい。そこで市は世界的に小型UPSの最大シェアを誇る同社の実績とともに、ワールドワイドの多様なソリューション経験や、各自治体での導入実績を判断材料として加味した。

製品が全面採用された兵庫県豊岡市の庁舎
「コンパクトで、しかも管理しやすいサーバーを構築するにはどうすべきか」。近年、同社には地方自治体から、こうした相談が寄せられている。市町村レベルの自治体にITの専門家はほとんどいない。自治体業務の電子化に伴い、情報量が増加し、機器類も急速に高度化しているが、どう対応すべきか判断できないのが実情だ。
 有本本部長は「以前は基幹システムの構築を請け負うITベンダーがサーバールームなどの相談にも対応してきたが、空調設備との関連性まで踏まえた技術的対応が必要となり、われわれ機器メーカー側に相談が来るようになった」と説明する。このようにサーバーシステムの高度化に伴い、川上から建築主と直接打ち合わせする“ハイタッチ営業”が増加傾向を見せている。
 豊岡市新庁舎へのサーバールームの移転作業は3日間という短時間で行われた。期日どおりに移転は完了したが、再構築の計画時には仕様変更に加え、電源容量の最適化、空調システムの変更などの課題に直面した。非常時に欠かせないUPSはいずれバッテリーの交換が必要になるため、集約した管理も求められた。
 「実は、病院にも同じようなニーズが出始めている」(有本本部長)。愛知県西部から三重県北部の広域医療を支える海南病院(愛知県弥富市)では大型改築工事に伴いサーバールームの刷新が行われ、その際に自社製品が全面採用された。病院の業務ではカルテなどの電子化が急速に進み、サーバールームの新設や改修の需要が具体的に動き出している。従来は多くのベンダーのラックが乱立し、システムに付随する小型UPSも数多く設置され、トータルとして電源効率が低く、管理面も非効率の状況だった。
 ここでは、免震装置のラックシステムに専用の空調機を組み合わせ、ホットアイルの熱を閉じこめるHACSも導入した。有本本部長は「自治体の統廃合や病院の広域医療というように、施設運営のあり方が変化すれば、それを支える情報システムも大きく変わり、われわれメーカー側の提案の幅も広がっている」と強調する。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)

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