2015/09/11

【記者座談会】事業者選定手続き始まった新国立競技場 大手各社の反応に温度差


(画像はデザインコンペ時のザハ案)
A 新国立競技場の新たな整備計画に基づき設計・施工一貫方式による事業者選定手続きが始まった。

B 新整備計画は、コンサートなど多目的利用や博物館などの文化機能を廃止して「アスリート第一」を前面に打ち出すとともに、「ユニバーサルデザイン」や「日本らしさ」「景観・地球環境」「維持管理コストの縮減」を基本理念に掲げた。屋根は約6万8000席の観客席の上部だけに設置し、競技場面積もフィールドを含め約19万4500㎡に縮小している。
C 設計交渉・施工タイプの公募型プロポーザルは、参加申請の提出期限が18日。参加形態は単体かJVとなるが、JVについては「共同実施方式」「分担実施方式」「併用方式」のいずれかを選ぶことができ、応募者側の裁量に任せるところが大きい。代表者は施工担当者となるため、ゼネコン各社の動向が焦点になる。
D 大手各社の反応には、温度差を感じる。計画を大幅に見直したとはいえ、施設の要求水準と総工費の上限1550億円のバランスをみても工期や工費はやはり難題だ。特にコスト縮減とともに工期短縮が強く求められている点からも、設計事務所や設備会社などとの異業種JVを含め、どういった組み合わせが最適なのか、判断が問われることになる。ちなみに前計画での施工者選定ではJVでの参加はなく、各社単体で参加していた。
C 設備会社にとっては新計画で観客席の座席空調設備が取りやめになったため参加意欲が大きくそがれたようだ。
A 日建設計がザハ・ハディド事務所と設計チームを組んで参加表明したのには驚いた。
B 手続き段階で公募型プロポーザルへの参加を表明するのは異例。約2年間進めてきた前計画の設計作業の知見を生かし設計提案するという。設計条件そのものが変わったとはいえ、この間積み上げてきた設計の成果はやはり大きなアドバンテージだと言える。果たしてどのゼネコンとタッグを組むか注目される。
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