2015/10/17

【タイパック】都市緑化の強い味方! 施工しやすい不織布シートで根茎調節や雑草抑制



 不織布製品の加工と販売を手掛けるタイパック(東京都港区)は、土木資材向けの販売に力を入れる。都市緑化の際に問題となる、樹木の根による歩道や地下埋設物への被害や、雑草などの下草問題を不織布製品で解決してきた。河崎孝夫社長は「確実に長期間にわたって効果を発揮してきた」と販売開始から20年以上売れ続ける製品への自信を口にする。これまでコンスタントに実績を積み上げてきたが、営業体制を見直すことでさらなる需要の掘り起こしも始めた。写真は「バイオバリヤー」施工状況。配管などに巻くこともできる。

 「バイオバリヤー」は非接触型の根茎調節材で、植物が嫌う成分を粒状(ペレット)にして不織布シートに接着している。ペレットから発生する有効成分のガスが層を形成することで、植栽の根はガス層とは別の方向に成長する。結果として、シートに接触することなく根茎を調節できる。
 有効成分であるトリフルラリンは除草剤などに使われている。水溶性が低く、植栽への影響はほとんどない。ガス層の効果が持続するのは50年程度。不織布製なので、重量が軽く、現場での大きさ調整もカッターなどを使ってできるなど施工性に優れる。また、ガスの層を形成するため、シート間の継ぎ目に根が侵入する心配もない。都市緑化の進む大都市圏での導入が過半数を占めるが、地方都市でも公園トイレの配管など適用エリアが広がっている。

プランテックス施工状況

 雑草の成長抑制シート「プランテックス」は、駐車場周りの植栽や道路の分離帯に活用されている主力製品の1つ。土の下や地表に施工することで、紫外線を遮り雑草を抑制する。地表に生えた雑草もシートの深さ以上に根付かないため除草が簡単にできる。
 使用期間や用途に合わせて3種類3色のバリエーションがある。一番厚い0.64mmのもので土をかぶせた状態であれば30年程度効果が持続する。プランテックスも不織布製なので施工しやすい。水を通すため植栽に影響は与えない。価格(施工費・税別)で1㎡当たり550円からと安価なため、造園業を中心に活用されている。
 都市緑化は、実施期間が長期に及ぶだけに、あらかじめ周辺構造物などへの干渉や、それによって生じる被害などを予測しにくい。具体的な被害が発生してから対処するケースが多いのが実情だ。今後、さまざまな形で緑化に伴う問題が顕在化することも予想され、行政担当者には実効ある対策が求められる。土木資材用不織布の営業を担当する家村正和部長は「地方の公園事務所やゼネコンなども含め、まずは製品を知ってもらえるようにアピールしていく」と今後の展開に意欲を示す。
建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら

Related Posts:

  • 【外壁サイディング】躯体を3Dレーザーで採寸→CAD→CAMでカット→貼るだけ! 建材販売や外壁工事などを手掛ける富国物産(長野市、林隆夫社長)は、戸建て住宅の外壁として使われるサイディングを、躯体施工後に3次元レーザー距離計で採寸して、プレカットする「FBシステムデジタル」=写真=を開発、実用化した。すべて手作業で行っていた工程を、外壁の計測から図面制作、プレカットまで一貫して行える。これまで1週間程度必要だったサイディング工程が、約半分にまで低減できるという。  従来のサイディング工は、住宅の躯体完成後に、巻き尺を使… Read More
  • 【現場の逸品】クラウド利用で過去の現場映像もチェック! エコモットの「現場ロイド」 エコモット(札幌市)は、5年前から提供する遠隔監視カメラソリューション「現場ロイド」に、クラウド録画オプション機能を追加した。過去の映像も見たいとのニーズが拡大していることから、スマートフォンを介して90日前までの映像が確認できるようにした。  現場ロイドは2014年度実績で全国約1000現場に利用されている。遠隔監視機能により、静止画を自動的に定時撮影し、クラウドサーバーに記録する仕組み。ストリーミング映像の記録には現地に別途録画装置を用… Read More
  • 【オートドアZero】電気不要の自動ドアを首都圏で9月から発売 有紀 建築資材の製造・販売を手掛ける有紀(本社・福島県会津若松市、橋本保社長)は、電気がいらない自動ドア「オートドアZero(ゼロ)」の販売活動を、9月をめどに首都圏でも始める。電気を使わないため、電気工事も電気代も不要で、停電時でも開閉できる。同社では3年後、首都圏での受注台数600台を目指す。  利用者が踏み台に立った時の体重を利用する「自荷重式自動開閉装置」を採用。7月に特許を取得したことから、首都圏での販売活動に踏み切る。 装置は、上部ユ… Read More
  • 【京葉ガス】平均施工時間を半分に! バイパス、シャッター装置不要の継ぎ手開発 千葉県北西部で都市ガスを供給する京葉ガス(千葉県市川市、潟山英清社長)が、大多喜ガス(同茂原市)、北陸ガス(新潟市)、JFE継手(大阪府岸和田市)らと共同開発したガス工事用部材「シャッター装置不要型 鋼管/鋳鉄管用トランジション活管分岐継手」が全国で広がりを見せている。従来からある切断分岐工法に比べ、同工法で必要なバイパス管の設置が不要で施工性も大幅に向上させたことから、平均工事時間で約半分、工事面積も4分の1で済むのが特長だ。日本ガス協会… Read More
  • 【現場の逸品】「全天候型現場」を実現する大型仮設テント『エアロシェルター』 「空気を抜いてしまえば、台車に乗せられるほどの大きさになってしまう」と、誇らしげに語るのは帝人フロンティア(大阪市)の東京繊維資材部キャンパス資材課に所属する井上誓吾さん。10年前から販売する超軽量大型仮設エアーテント『エアロシェルター』はレギュラーサイズで高さ4m、幅15m、奥行き11m。イベント会場や災害時の避難用テントとして使われるなど着実に販売件数を伸ばしている。「最近では建設工事でも活躍している」という隠れた現場の逸品だ。写真は常… Read More

0 コメント :

コメントを投稿