2012/02/23

木造3階建て校舎実現へ「大火災実験」 国総研らが準耐火見直しで検証



激しく燃える実大校舎

 国土交通省国土技術政策総合研究所や建築研究所など産官学で構成する研究チームが22日、茨城県つくば市の国土技術政策総合研究所内で木造学校校舎の実大火災実験(予備実験)を実施した。今回の実験で得られた基礎的な知見をもとに、2012年度には準耐火建築物としての基準化を想定した仕様の試験体で、再度、実大火災実験を実施する予定だ。

1時間30分以上で燃え落ちた

 試験体の規模は、木造3階建て延べ2260㎡(建築面積830㎡)。1時間準耐火構造として、3分の2ほどの区画「Aブロック」を軸組工法、残る3分の1の「Bブロック」を枠組壁工法で設計・建設した。Aブロック端の1教室分は残る教室と隔てさせるため、1階から屋根まで防火壁も設け有効性を検証することにした。
 実験では、午前9時にAブロック1階の職員室を点火。40分ほどで屋外に吹き出すほど勢いよく燃えた。点火から1時間15分後にはAブロックのうち、防火壁とBブロックに挟まれた区画が丸ごと倒壊した。その10分後にはBブロックの一部、さらに9分後にはBブロックのほとんどが倒壊した。点火から1時間36分後には防火壁が一度に倒れ落ちた。
 今回の実験は、10年10月に施行した「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」で、建築材料としての木材の利用を促進する観点から、必要な研究を実施した上で、見直しを一層進めるよう規定されていることを受け実施した。研究チームは、両研究所のほか、早稲田大学、秋田県立大学、三井ホーム、住友林業、現代計画研究所で構成する。



『逐条解説 公共建築物等木材利用促進法』 AmazonLink

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