2012/02/22

多摩川の六郷用水路跡、浦安の舞浜戸建て住宅地がモデル ソーラータウンデザインコンペ最優秀

「Solar Cross Community」
 ソーラーエネルギー利用推進フォーラムは20日、東京都港区の建築会館で、ソーラータウンデザインコンペの公開審査会と表彰式を開いた。最優秀賞は、日本設計のグループの「Solar Cross Community」と御手洗僚子氏の「蔦のトンネル」に決まった。「Solar Cross Community」は、太陽光とコミュニティを多摩川沿いの六郷用水路跡の敷地に創出する提案をした。また「蔦のトンネル」は、震災で液状化被害が顕著だった浦安市舞浜の戸建て住宅街を、インフラで結びつける提案だった。
授賞式の様子

 同コンペは、太陽熱利用システムを使った10-20年後のまちづくりを提案するもの。公開審査会では9者がプレゼンテーションした。
 審査委員長を務めた小玉祐一郎神戸芸術工科大教授は「大きなテーマ、難しいテーマだったにもかかわらず、スケールや用途、方法が異なるさまざまなアイデアが出た」と総評した。小玉氏のほかの審査委員は秋元孝之芝浦工大教授、小泉雅生首都大学東京教授、下田吉之阪大教授。
 同フォーラムは、日本ガス体エネルギー普及促進協議会が主催している。
 受賞は次のとおり(敬称略)。
 〈最優秀賞〉Solar Cross Community=山崎新太、小林達也、坂部高士、宮崎淳(日本設計)▽蔦のトンネル=御手洗僚子(フリー)。
 〈佳作〉アマスコトナク=西尾雄彦、竹田剛、小西久美子、石野理絵、木村晃久、森吉裕志、内崎直子、佐々木伸(大阪ガス)、田中純一、小浪晋、深澤創一、森田恭平、小川宙也(市浦ハウジング&プランニング)▽農び路=伊藤聡宏(フリー)、滋埜悠司(岩本弘光建築研究所)▽Low CLOUD=長谷川和哉、長谷川さやか(sky ship)▽エネルギーの森、熱のみち、歩くまち=川島範久(日建設計)、海法圭(海法圭建築設計事務所)▽SOLAR RIDGE=田村望、藤本健太郎(竹中工務店)、横溝成人(大成建設)。
 〈アイデア賞〉Solar Block Project=稲葉良平、今井卓、藤川智浩(青山製図専門学校)▽Air TUBE City=渡辺陵、内山雄基、清水智之、源真希(神奈川大大学院)。

『だれでもできるベランダ太陽光発電―身近な自然エネルギー入門』 AmazonLink

Related Posts:

  • 【芦原信孝】4つの箱を重ねたスカイスクレイパー NYに完成 建築家の芦原信孝氏が設計した高層ホテルが米国ニューヨーク・ブロードウェイに完成した=写真。総工費は160億円。それぞれが異なる方向性を持つ4つのブロックを積み重ね、単純化しがちな高層建築の中でユニークな外観デザインを生み出した。反射率の高いカーテンウオールにはタイムズスクエアやセントラルパークを外観に映し出すほか、内側からは床面から天井まで視界を遮ることのない景観を確保した。また、周辺に落ちる影を最小限にとどめて日光を遮らない工夫も凝らされ… Read More
  • 【特別公開】重文「住友活機園」 明治の大邸宅で新緑を愛でる 意匠の完成度と明治後期の大邸宅の姿を今に伝える 住友林業所有の重要文化財「住友活機園」(大津市)が5月23、24の両日に限り、特別公開される。瀬田川のほとりに位置する住友活機園は琵琶湖にほど近い小高い丘の上にあり、洋館や和館など6棟の建物と茶室などの付属施設で構成。庭園には多くの紅葉を配しており、公開時には新緑にあふれた風景が楽しめるという。  近代・住友の基礎を築いた第2代総理事の伊庭貞剛翁が自らの隠居住まいとして建設した。没後は子孫… Read More
  • 【建築】伊東豊雄氏にトーマス・ジェファーソン・メダル授与  米国バージニア州のトーマス・ジェファーソン財団とバージニア大学は、建築家の伊東豊雄氏に「2014トーマス・ジェファーソン・メダル(建築)」を授与すると発表した。同メダルは1966年に創設され、毎年、建築・法曹界・社会貢献(市民対象)の3分野それぞれに、トーマス・ジェファーソンの理念でもある公益のために尽力した人物が選出されている。4月11日に同大学で授賞式と受賞記念レクチャーが行われる。 同大学建築学科長のキム・タンザー氏は伊東氏の受賞理由… Read More
  • 【建築】JIA新人賞『PATIO』「自分のスタイルは施主の夢に答えた上に出る」 「開放的でありながらプライバシーを確保する」という相反する2つのニーズに答えた 矢板久明氏、矢板直子氏のベテラン建築家2人は『PATIO』で日本建築家協会のJIA新人賞を受賞し、史上最高年齢の「新人」となった。「クライアントのニーズと条件に答え、それを豊かな空間に構築するのが建築家の役割と考え仕事をしてきた。その結果を評価されたのは光栄に思う」と喜びを語る2人に、受賞作『PATIO』の原点となった設計という行為への思いを聞いた。  現在… Read More
  • 【プリツカー賞】坂茂氏語る 避難所も幼稚園も普段の建築と同じ活動 建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞受賞、同賞の審査員を務めた経験があり、審査の内情や重要性を理解しているからこそ「今回の受賞には正直驚いている」と明かす。日本人として7人目の快挙となったが「過去の受賞者と肩を並べたとは思っていない」と謙虚に受け止める。  被災地・紛争地域における復興支援が高く評価された。  現在も台風で被災したフィリピンへの避難所の提供や四川省における幼稚園建設プロジェクトなどを続けるが「現地の状況を見て、その状況… Read More

0 コメント :

コメントを投稿