スターツCAM(本社・東京都中央区、直井秀幸社長=写真左)は、免震・制震構造についての技術者交流を広げる活動を加速させる。これまで免震部材メーカーや協力会社と行っていた免震研究会を、外部の構造技術者も参加する研究会として開催し、免震・制震に関する組織の垣根を越えた技術者交流の場として発展させる。
2月末に本社で開いた研究会には、設計事務所を始め、建設会社の技術研究所、ディベロッパー系のエンジニアリング会社、メーカー、学識者ら120人が集まり、構造設計や免震について意見交換した。
同社はスターツグループの建築事業会社で、阪神・淡路大震災をきっかけに、本格的に免震構造の研究をスタートさせた。東日本大震災翌年の12年からは、免震技術普及のための技術開発やリスクマネジメントをテーマに、「スターツリスクマネジメント構造研究会」を立ち上げた。
直井社長は「全国3500棟の免震建物のうち、約1割にあたる350棟はスターツが手掛けている。安全・安心な建物を広めるきっかけにしたい」と話す。
2月末に開いた研究会 |
先月末の研究会では、東京工業大学の和田章名誉教授が、「構造設計者の責任と義務」について講演。和田氏は「現在の建築基準法は、建物が壊れても人を守るという理念となっている。しかし都市の機能を維持するためには、直して使える建物が必要だ」と強調した。
関戸博高スターツコーポレーション副会長は、「免震で、いかに建物を安心できるものにするかをテーマに研究・設計をしていきたい」と研究会の意義を話した。
スターツCAMは、社員660人のうち設計部門に約120人が在籍、そのうち25人が構造チームに属している。またスターツ免制震構造研究所という組織もある。
同社は「2台の起震車も保有し、免震の普及に向けて取り組んでいる。社内でもきちんと技術を担保して免震のノウハウを培っていきたい」(直井社長)としている。
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