除染作業のイメージ |
次長は具体例として、除染作業を行う場合の規則である除染電離則で、除染現場に通常の靴で入る場合、靴カバーをすることが決められていることについて、「冬に国の人間が現場に来てビニールの靴カバーをしたら、雪で滑って歩けなかった」とし、「住民が農作業を行っている近くでタイベックス(防護服)を着て除染作業をすることが、住民をどれだけ不安にさせるか国は分かっていない」と批判。
また、国が年間1mmシーベルト(1時間当たり0・23マイクロシーベルト)以上の地域の除染方針を打ち出したことで、除染を先駆けて行った学校校庭の空間線量が1時間当たり5・35マイクロシーベルトから0・88マイクロシーベルトに下がっても、住民から「もっと下げろの大合唱が起きている」と説明。
その上で次長は、「例えは悪いが、いつも赤点の子どもが80点取っても、100点取れと言われている状況と同じ」とし、「ハードルがどんどん上がっていく」ことに不安感を示した。
また、住民にも放射線や除染の正しい理解が不足していることについて、「住民には除染に対しサイエンス(科学)が通用しないメンタル(感情)がある」とした上で、「住民は国が信用できないと言いながら、(国の除染方針である)0・23だけは信じている。はっきり言ってこの数値が市町村を苦しめている」と本音を吐露した。
同日の講演会には、除染学会の森田昌敏理事長も参加、今後の課題と学会が取り組むべき考えを披露した。
『放射能除染の原理とマニュアル』 山田國廣著 AmazonLink
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