現場の技能者が不足の一途だ(写真と本文は関係ありません) |
技能者の大幅な不足の背景には、年度末を迎え工事が集中していることに加え、技能者自体が減少しているという2つの要因があるようだ。ある仕上工事業者は元請けからの要請に「単価を上げてもらっても、人がいない」と嘆く。さらに、最終工程の養生クリーニングも人手不足が著しいという。
鉄筋工事の労務不足は、一時期に比べると落ち着いてきているものの、連休明けからまたひっ迫してくるとの見方が大半だ。
受注単価は各職種で上昇してきている。専門工事業の経営者は「今までの単価が異常だった。いま適正な単価に戻りつつある」ことを強調する。単価の急激な上昇は、専門工事業者の経営にも影響する。契約から着工までの期間が長ければ、その間に労務費が上昇する可能性があり、技能者を確保するためには、持ち出しになる。工事量、労務費など先行きを見通せないというのが現状だ。
技能者を確保するために、この数年に離職していった人たちに声をかけても、「賃金を上げたからといって、辞めていった職人は戻ってこない」というのが現実だ。ダンピング(過度な安値受注)による低価格が建設ものづくりの最先端で働く技能者にしわ寄せされた結果であり、夢や希望をもてない業界になっているということだろう。
専門工事業は、新規入職者が少なく、高齢化も進んでおり、現状のままでは技能者の減少に歯止めがかからない。建設生産に影響を及ぼすことは必至だ。
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