2012/03/21

学生有志が企画する全国合同卒業設計展『卒、12』 1位に神戸大の柏木さん

『Plant Planet』
 関東・関西を中心とする建築を学ぶ有志の学生が企画・運営する全国合同卒業設計展『卒、12』が16日から18日まで、神戸市中央区の神戸波止場町TEN×TENで行われた。17日には講評会が行われ=写真、プレゼンテーションとゲスト・来場者による審査の結果、1位に柏木元気さん(神戸大)の『Plant Planet』、2位に赤崎健太さん(東京都市大)の『Earthtecture』が選ばれた。同展は、総合資格学院を運営する総合資格が特別協賛した。

 今回は7大学16人の作品が出展されたほか、近隣商店街で市内の大学生による「築いて!ひよっこ展」が企画されていたことから合同開催とし、ひよっこ展の作品も講評の対象となった。
 講評会の審査ゲストは、建築家の遠藤秀平(遠藤秀平建築研究所)、谷尻誠(SUPPOSE DESIGN OFFICE)、平沼孝啓(平沼孝啓建築研究所)の3氏。
 1次選考では上位6作品を選出。2次選考では、出展者が各4分の持ち時間でプレゼンテーションと質疑応答を行い、作品の狙いなどをアピールした。講評会ゲストは、作者の労をねぎらいつつも「意図を説明できるロジックが必要」「空想でしかないのでは」と、時折、厳しい意見も投げ掛けた。
 1位となった柏木さんの作品は、廃タンカーを植物工場として再活用する斬新なもの。その内部を「魅せる」ことを意識し、水族館の空中トンネルのように空間構成したという。「もう少し空間的な工夫がほしい」との意見もあったが「着眼点が素晴らしい」と高く評価された。
 最後にゲスト3人は「物足りない部分もあったが、力強さが感じられて良かった」などと感想を語るとともに、「こういう場で上位に残る人とそうでない人の差は微差でしかない。結果よりも、自分が考え、自分が納得したもので評価されることが大事だ」とエールを送った。


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