2012/03/19

官庁施設の4割が築30年を超える 国交省が保全指導へ

国土交通省
 国土交通省官房官庁営繕部は15日、2011年度の「国家機関の建築物等の保全の現況」を公表した。1万5080施設のうち、床面積ベースで全体の4割が築30年を超え、大規模修繕や大型設備機器の更新の必要性が高まっていることが分かった。定期点検の実施状況も改善傾向にある一方で、項目によって差があることも課題となっている。

 1万5080施設のうち、保全実態調査を実施した1万1446施設を見ると、事務所系が41・5%、宿舎が43・8%、文化施設などのその他が14・7%となる。前年度調査から300施設程度減少した。規模別の施設数の推移を見ると、庁舎は2000㎡未満、宿舎は500㎡未満の施設が減少傾向にある。
 全体的な傾向として、官庁施設の多くが老朽化施設の予備軍としてあることから、ライフサイクルコストや環境負荷の低減を図るなど適切な管理が求められている。
 ただ、建築基準法や消防法に基づく定期点検の実施状況を見ると、安全性にかかわる項目では、全体的に実施率がや上昇しているものの、点検項目によって差がある。具体的には、昇降機や消防設備は100%に近い実施率となっているが、建築構造や建築仕上げについては7割台となっている。
 衛生や快適性にかかわる点検も項目によってばらつくため、今後、施設保全責任者が適正な保全を実施するための体制整備や業務内容を指導していく。

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