2012/03/07

椅子に座って地震の揺れを体験 奥村組が一般向けに体験装置

 奥村組は、地震と免震の揺れを比較体験できる独自の「地震・免震体験装置」を、東京本社(東京都港区)と名古屋支店(名古屋市)の両ロビーに設けた。同装置は兵庫県南部地震、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震の3種類の揺れを、免震化した場合と非免震の場合で地震の揺れを比較体験できる。東日本大震災で地震対策に対する関心が高まっており、顧客に免震効果を体感してもらうことで、免震建物の普及につなげる。

 奥村組は2007年の奥村記念館(奈良市)開設に合わせて、同館に地震・免震体験装置を設けた。周辺は観光地であることなどから、これまでに一般客を主体に約5万8000人が体験している。同様の装置を東京、名古屋にも設けることで、三大都市圏で地震動と免震効果を体験できる体制を整えた。1月上旬に装置の設置を終え、社内向けの説明会を行うとともに、PR用のリーフレットも作成した。
 「免震装置はころがり支承を採用し、地震体験時には免震機構を固定して機能しないようにする仕組み」(舟山勇司東日本支社建築設計部構造1課長)。地震・免震体験装置の公開を通じて、同社が保有する免震技術をアピールしていきたい考えだ。
 建築本部建築営業部の石井勇営業推進課長は「東日本大震災以降、マンションを始め、免震構造に対する関心は高まっている」と話す。免震構造を採用した場合としない場合の両方で見積もりを依頼されるケースも多くあるという。最近ではディベロッパーが免震マンションを販売するために、同じような装置をモデルルーム用に導入するケースもある。
 奥村組では本社や支店で体験してもらうほか、顧客からの要望があれば、装置を販売する。


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