「3・11」以降、東京都は被災地支援に全力を注いできた。発災直後から総務局内に設置した被災地支援対策部を中心に各局が連携体制を敷き、全庁的な支援網を構築。道路や河川、港湾、上下水道などの公共土木施設から学校施設や公営住宅などの建築分野、医療福祉分野に至るまで、まさに“オール都庁”で被災地の応急復旧、復興支援に当たっている。
特に沿岸部を中心に行政機能そのものが低下する中、被災自治体からの要請に基づき、積極的に職員を派遣。災害査定や、り災証明の発行、生活支援金給付申請の受付といった行政事務にとどまらず、被災建築物の応急危険度判定支援や道路、河川の災害復旧、被災自治体が進める復興計画の策定支援など技術職員、行政職員が一体となって被災地域の支援に取り組んでいる。
2月13日現在までに、都が復旧・復興支援として派遣した人的資源は延べ3万人超(警視庁=2万2044人、東京消防庁=3228人、医療等支援=2358人、復旧・復興支援=3353人など)。現在も知事部局だけで150人に上る職員が被災自治体での業務に従事している。
◇原発対応にも協力
また、福島第一原子力発電所事故への対応では警視庁と東京消防庁が発災当日から人員や車両を派遣した。原子力発電所の核燃料プールへの連続放水活動に「ハイパーレスキュー隊」を投入して、命がけの支援活動を展開したのは、各種報道のとおり。並行して都内では大規模な公的施設を一時受け入れ施設として開放するなど、区市町村や民間企業とも連携しながら、福島県を中心にした被災地から多くの避難者を受け入れた。
◇全国に先駆けたがれき受け入れ
11年9月には岩手県宮古市の災害廃棄物処理の受け入れを表明。放射性物質汚染への懸念などから多くの自治体が二の足を踏む中、真っ先に手を挙げた。
同時に都内での被災状況や災害対応の経験、被災地への職員派遣などの支援活動を通じて得た教訓を『東日本大震災における東京都の対応と教訓』として公表。これを基に、11年11月には今後の防災対策の羅針盤となる『東京都防災対応指針』を策定するなど、被災地への支援活動に注力する一方で、首都直下地震の発生を見据えた東京の防災対策にも全力を注いでいる。
「日本再生をけん引する役割を担い得るのは東京をおいて他にない」--。石原慎太郎知事は2月22日、都議会の施政方針演説で「東京が日本再生への原動力になる」と誓った。東京都の支援活動はこれからも続く。
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