完成したプロジェクト |
住宅の建設は、「学生実施設計プロジェクト」として建築設計工学科の3、4年のカリキュラムに組み込んでいる。授業の一環として実際に住宅を建設するのは全国的にも同校だけの試みという。6人の学生が、プラン、設計、工事監理までを手掛け、プロも顔負けの住宅を完成させた。
プロジェクトのコンセプトは「街中の巣」。親子関係を築く中心的な場所であった「囲炉裏場」を学生の若い感覚で再現した。家族の距離感を重視し、2階には子ども室、夫婦室、両部屋の間にスタディスペースを配置。子ども室は着替えや就寝など最低限の機能にとどめ、活動の中心となるスタディスペースで親子が時間と場所を共有できるよう設計した。
親子関係を再構築する今回のコンセプトを提案したリーダーの落合裕太さんは「図面にあったものが建設の過程でボリュームを持っていく様子に驚いた。すべてが初めてのことだったが、仲間と住宅を造り上げることができ、大きな経験になった」と振り返る。模型や3次元イメージを作成した柳澤和孝さんは「木材の持つ味や採光による表現力などはコンピューターでは表現できないものだった。完成した住宅は予想を超えていた」と達成感を示した。
指導教授を務める仲川校長は「実践的な人材を育てる専門学校として授業は厳しいが、プロの目線でも見劣りしない住宅ができたと思う。オープンハウスには地域の建築士が多く来てくれた。学生の発想を形にしたこの住宅が刺激を与える存在になってほしい」と手応えを話していた。
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