2012/03/19

職員OBを被災自治体に派遣! 東京都が全国に先駆け検討



  東日本大震災の復旧・復興支援に向けて、東京都は退職職員の活用も視野に入れる。継続的な支援方策の一つとして、具体化に向けた検討を進める方針だ。都は現在も約150人の職員を派遣するなど、全庁的に被災地支援に取り組んでいる。ただ、首都直下地震への備えを固める防災対策など、都が抱える事業量を考慮すれば、現状の枠組みを超えて職員を派遣することは難しいと言わざるを得ない。

 一方、被災自治体では今後、本格化する復興事業を前に『発注能力不足』が指摘されるなど、膨大な事業量に行政機能そのものが追いつかない状況だ。技術分野を中心に全国からの継続的な職員の派遣が不可欠なことに加えて、まちづくりなどの専門知識を有した技術職員が不足している状況もある。
 「(自治体の既存事業と被災地支援の両立は)おそらく日本中の自治体が検討していかなければならない課題だ。具体化できるかどうか、検討課題にする」(都総務局復興支援対策部)。
 都庁内には「被災地に派遣する職員は現場でもエース級の職員になる。こちらの事業にとっては、長期間派遣することによるダメージも相当大きい」(都幹部職員)との声もある。
 現役職員だけではなく、退職職員や監理団体のOB職員の活用が、継続的な被災地支援の有効方策になるか。全国の自治体のモデルケースとしても注目される。

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