2013/07/22

【建築】ライカが建築向けトータルステーション! 「測量の素人」も簡単操作

測量機器大手のライカジオシステムズ(本社・東京都文京区、棚橋有三社長)は、建築業界向けのトータルステーション(TS)事業に乗り出した。これまでのTSは、土木関連や測量関連を中心に使われていたが、同社は使用方法を簡略化し、「測量の素人」でも簡単に扱えるTSを開発、建築現場の位置出しなどに使ってもらう考えだ。価格も100万円以下に抑えた。
 開発した製品は「ライカ Builder(ビルダー)」=写真。TSに搭載しているアプリケーションソフトを極力シンプルにまとめた。ビルダーは、角度と距離の測定に重点を置き、現場での測定に機能を絞った。現場の現況測定、面積、容積計算、墨だしなどが容易にできる。
 同社では、「測量専門用語も出てこない。ソフトウエアも非常に簡単な操作性を突き詰めた」(ツールズ事業部)と話す。測定結果はCADの標準フォーマットの「DXF形式」で出力できる。リニューアル工事などでは、現場の状況を測定しデータをCADに落とし込めるので、作業時間が大幅に短縮される。

建築現場でも手軽にTSの優れた機能を使える
(仕上げをチェックしている)
機器の使用法は非常に単純で、本体を三脚にセットして電源を入れ、画面に表示される図にあわせて整準する。本体から真下にレーザーが出るため、床面の基準にもぴたりと合わせることができる。天井配管などの現況位置を測るには、機器を設置してTSから出るレーザーを測りたい場所に合わせてボタンを押すだけで、2点間の距離を算出する。また戸建ての敷地面積も、敷地の角を指定するだけで面積と外周距離を計算してくれる。盛り土の容積測定なども可能だ。
 これまでトランシットとテープで行っていた墨だし作業も格段に楽になる。施工状況が図面と適合しているかの確認などにも威力を発揮する。
 ビルダーと無線通信できるモバイルタブレットとセットにすると、読み込んだ図面との比較なども可能だ。扱い方も画面上で分かりやすく指示される。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年7月22日

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