2012/05/01

倉敷のシールド事故受け、国の施工安全協が初会合

 国土交通省は、岡山県倉敷市で発生した海底トンネル工事事故を受けて設置した「シールドトンネル施工技術安全向上協議会」(委員長・今田徹東京都立大名誉教授)の初会合を開いた=写真。シールド工法の安全な施工方法と工作物に求められる機能、調査・計画・施工・施工監理などにおける技術基準の修正などを検討する。

 冒頭、あいさつした国交省の越智繁雄官房技術調査課長は「シールド工法は、鉄道や道路、共同溝、下水道などで使われ、国づくりを支える重要な技術だ。今回のような事故が再び起きないよう万策を尽くさなければならない」とした上で、「事故の捜査は警察などが進めている。協議会は、責任追及ではなく、原因から安全な施工方法と工作物が求められる機能を検討する。また、調査・計画・施工など各段階において、安全のために追加・修正すべきことはないかを総点検していただきたい」と検討の視点を提示した。
 会議後に記者団の取材に応じた今田委員長は「もともと安全な工法と言われていた。だが、『絶対安全』は存在しない。今回の事故を受け、より安全性を向上するにはどうすれば良いか。シールド工法全体の安全について検討する。主に技術的な検討を進める。現状の資料を広く集め、多面的に検討したい。提言では、注意すべき点、事故をできるだけ少なくするためにはどうすべきか、をまとめることになるだろう」と検討の考え方を示した。

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