2012/05/24

環境技術満載! あす竣工の清水建設の京橋新本社

「匠の技」を取り入れた新本社のメーンロビー
 清水建設は23日、東京・京橋に建設を進めている新本社ビルの内部を公開した。最先端の環境配慮技術と事業継続機能を複数盛り込み、同社が提唱する「ecoBCP」を自ら具現化している。京橋は同社にとって第2の創業地で、8月から約3000人が働き始める一方、顧客に技術をアピールするショールームにもなる。

 新本社には、天井パネルで室内温度を調整する輻射空調、全面的に採用したLED(発光ダイオード)、太陽光発電パネルを組み込んだハイブリッド外装システムなど、複数の環境配慮技術を採用している。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)では過去最高の9・7ポイントを獲得し、米国グリーン建築基準のLEED認証でもゴールドを取得予定だ。
 8月の運用開始時にはCO2排出量を従来比62%削減する。その後2015年までに設備・IT機器類の省エネ化を進め、カーボンオフセットと組み合わせることで最終的にはCO2排出ゼロを目指す。
 オフィス空間は、外壁に構造材としての機能を持たせたハイブリッド外装システムによって柱を減らし、空間の効率性を高めた。従来に比べて有効面積を12%程度広く確保できるという。
 エントランスやロビーなどの内装では、「匠の技」をアピールしている。打ち放しのコンクリート壁に杉の木目を転写したほか、エスカレーター部には表面にさざ波を立てた状態で固めたアルミパネルを採用するなど、素材の持つ可能性を追求した。
 1804年に神田鍛冶町で創業した同社は、1903年から91年まで京橋に本社を置いていた。ゆかりの地で、地域に根ざしたオフィスビルの運営を目指している。地下1階の床下には42基の免震装置を配置し、災害発生時には地域の防災拠点としても機能する。
 8月1日から業務を開始するが、同時にecoBCPのショールームとして顧客に公開する。今回、採用した数々の要素技術は顧客の関心も高く、既に130件程度で検討が進んでいるという。新本社はあす25日、竣工を迎える予定だ。

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