2012/05/09

魚谷、堀部氏らに JIA近畿第7回関西建築家新人賞

西都教会(撮影中村海)
 日本建築家協会近畿支部(小島孜支部長)は8日、45歳以下の建築家を対象にした第7回関西建築家新人賞の受賞者を、魚に大谷繁礼氏(魚谷繁礼建築研究所)と堀部直子氏(堀部直子建築設計事務所)に決め、同日開いた支部総会で表彰した。魚に大谷氏は「非常にうれしい。受賞を励みにこれからも社会に良い影響を与える建築を続けていきたい」とし、堀部氏は「建築主が楽しく暮らせて、評価もされる建築を目指してきた。頂きたい賞だったので、本当にうれしい」と喜びを語った。
はつが野の家(撮影・市川かおり)
堀部氏(左)と魚谷氏

 審査委員長を務めた建築家の出江寛氏は「いずれも普通性を高めた素晴らしい作品。魚に大谷氏の作品は、教会という非日常な建物に、日本的な建築で対応したことに共感した。堀部氏の作品は、非常に温かみを感じ、ユーモアがあふれる点に好感を持った」と評した。
 魚に大谷氏の受賞対象作品『西都教会』は、京都の市街地に建つ。中央の礼拝堂の三方を居室で囲み、外部の喧騒から切り離した聖なる空間を生み出している。魚に大谷氏は「竣工後、徐々に利用者のものになっていく様を見て、建築の楽しさを再確認した」と話した。
 堀部氏の『はつが野の家』は、新興住宅地に立つ住宅。中央に吹き抜けの中庭を配置し、周囲の部屋をつなぐとともに、柔らかな光を届けている。堀部氏は「建築主に信頼していただいたから実現できた」と振り返った。
 今回の新人賞には、21点の応募があった。審査は、出江氏のほか、竹山聖京大准教授と宮本佳明大阪市大大学院教授が担当した。

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