2012/05/23

作品賞にドバイメトロなど5件 ことしの土木学会賞が決まる

作品部門を受賞した「ドバイメトロ高架橋」
 土木学会は22日、2011年度土木学会賞を発表した。最高の栄誉となる功績賞は、宇佐美勉名城大教授、角田與史雄開発工営社技術顧問、近藤徹国土総合研究機構顧問、玉井信行金沢学院大大学院特任教授の4人が選ばれた。また、田中賞作品部門には、ドバイのドバイメトロ高架橋などが選ばれた。

 宇佐美教授は鋼橋の耐震・制震設計法の開発から体系化まで手掛け、角田技術顧問はコンクリート工学と構造工学分野で活躍、09年度に会長を務めた近藤顧問は自然環境保全と工学の融合に取り組み、玉井特任教授は環境水理学の発展に寄与したことが評価された。
 作品部門はことし2月に開通した東京ゲートブリッジなど5件が受賞した。応募は209件で前年度より5件少なく、受賞も77件で7件少なかった。6月14日に東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで開く通常総会で表彰する。
「東京ゲートブリッジ」

 田中賞作品部門は以下のとおり
 ▽ドバイメトロ高架橋=①ドバイ首長国道路交通庁鉄道局②大林・鹿島・ヤピメルケジ共同企業体③大林・鹿島・ヤピメルケジ共同企業体
 ▽生名橋=①愛媛県②長大③三井住友建設・昭和コンクリート工業・横河ブリッジJV、五島建設、小川工務店
 ▽第三吾妻川橋りょう=①東日本旅客鉄道上信越工事事務所②JR東日本コンサルタンツ③大成・東鉄・佐藤JV、川田工業
 ▽広島空港大橋=①広島県②日本構造橋梁研究所③鹿島・地崎・山陽JV、清水・鴻池・広成JV、三菱・IHI・日立JV、横河ブリッジ、三菱重工鉄構エンジニアリング
 ▽東京ゲートブリッジ=①国土交通省関東地方整備局、東京都港湾局②セントラルコンサルタント、中央復建コンサルタンツ、オリエンタルコンサルタンツ、パシフィックコンサルタンツ、日本工営、八千代エンジニヤリング、三井共同建設コンサルタント、構造技術センター③川田工業、宮地エンジニアリング、三菱重工鉄構エンジニアリング、日立造船、三井造船、東京鉄骨橋梁、函館どつく、東亜建設工業、東洋建設、熊谷組、五洋建設、若築建設、三井住友建設、鹿島、みらい建設工業、鴻池組、大成建設、りんかい日産建設、佐藤工業、大林組、大日本土木、鉄建、ハザマ、前田建設、戸田建設、アイサワ工業、清水建設、株木建設、竹中土木、東京建設、三共田中、坂田建設

『プロが教える 橋の構造と建設がわかる本』 AmazonLink

Related Posts:

  • 崩壊土砂は3県で1億立方㍍に!/台風12号豪雨災害で国交省が算定 国土交通省水管理・国土保全局は、台風12号豪雨で、奈良、和歌山、三重の3県で発生した崩壊土砂量が約1億立方㍍に達していると算定した。  土砂量の算出は、国土技術政策総合研究所と土木研究所の指導を受けて計算した。表層崩壊、深層崩壊、土石流など形態や規模が多様なため、個別の崩壊面積を航空写真判読などにより算出し、適用可能な崩壊面積から土砂量を導き出す経験式により割り出した。空中写真の撮影範囲は約48億平方㍍。緊急調査実施対象となる河道閉塞個所(土砂… Read More
  • 年間空調費用50%減/地中熱利用「ジオパワーシステム」 導入されたジオパワーシステム  愛知県碧南市の梶川建設(梶川光宏社長)が、同社倉庫で地中熱利用のジオパワーシステムを導入した。このシステムで年間空調費が50%節約できるという。  同システムはジオパワーシステム(本社・山口県美祢市)が開発した地中熱利用換気システムで、垂直に埋設したパイプに外気を送り、深さ5mの地中を通過させることにより熱交換した空気を取り入れる。地中熱利用ではパッシブ型と呼ばれるタイプで、地中の安定した熱を使い、夏は涼しく冬… Read More
  • 土木遺産に奈良駅舎など22件を選定/土木学会 旧奈良駅舎  土木学会はが、2011年度選奨土木遺産22件を決定した。土木遺産は、発電所や水路、防波堤、橋梁、トンネルなどから選んでいる。2009年度からは日本人技術者が携わった海外の施設も対象に加えたが、今年度はすべて国内の構造物となった。  土木学会は、幕末から昭和20(1945)年代までの近代土木遺産を対象に、社会や土木技術者へのアピール、地域づくりへの活用を目的に、00年度から実施している。  なかでも「旧奈良駅舎」は、1934年に竣… Read More
  • トンネル工事で排水濁度10分の1以下/ホタルに配慮、保存会と連携/戸田建設 戸田建設は、山梨県身延町のトンネル工事で、ホタルの育成保全に向けた取り組みを展開している。この現場は、国土交通省関東地方整備局が発注した中部横断自動車道醍醐山トンネル工事。トンネル坑口付近を流れる一色川には天然のホタルが数多く生息し、総合評価方式による入札では、「ホタルの生息環境に対する配慮」という審査項目が盛り込まれた。身延町一色地区は、ホタルの自然繁殖数が関東随一といわれ、飛翔期には多くの観光客が訪れるなど、ホタルが貴重な地域資源となってい… Read More
  • ルポ 現場から・2000メートル級の山中で続く排水トンネル工事 2000メートル級の山岳地帯に現場がある   石川県など4県にまたがり、2000m級の山々が連なる白山。標高約2000mの山岳地帯で、地すべり対策の排水トンネル工事が進められている。施工しているのは飛島建設。現場までのアクセスは徒歩のみ。資機材はヘリコプターで空輸している。施工技術が発達した現在でも、こんな現場がいまだに存在している。  この工事は、国土交通省北陸地方整備局金沢河川国道事務所が発注した「甚之助谷地すべり対策排水トンネ… Read More

0 コメント :

コメントを投稿