2012/05/29

八角形のドーム内部など公開 JR東日本の東京駅丸の内駅舎復原

復原された八角形の天井ドーム
 東日本旅客鉄道(JR東日本)は27日、「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」の現場を公開した。施工は鹿島・清水建設・鉄建JVが担当。躯体、外観工事は終了し、現在は内装工事の最終段階にある。10月には首都・東京の表玄関に歴史と風格が感じられる丸の内地区の中心的存在が創建時の姿でグランドオープンする。

 辰野金吾が設計した東京駅丸の内駅舎は、1914(大正3)年に創建。赤レンガのその堂々たる姿で多くの人びとに愛されてきたが、45(昭和20)年の東京大空襲でシンボルだった南北のドームや屋根・内装を焼失。戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎に復興した。
 今回の工事では、駅、ホテル、ギャラリーの機能向上の観点から2層の地下躯体を新設するとともに、地下躯体上部にアイソレータ約350台とオイルダンパー約160台の免震装置を設置。3月に巨大地震にも対応できる日本最大規模の免震化が完了した。
 八角形のドーム内部は直径約20m。壁面の色は文献などを参考に「黄卵色(おうらんしょく)」を採用。天井付近にあった干支(えと)のレリーフや鷲の彫刻などの装飾も写真などを基に忠実に再現している。
 進藤隆之JR東日本建設工事部次長は、「国の重要文化財に指定され、文化的・景観的にも価値があることから、建て替えではなく復原することにした。親しまれ、愛される駅を安全施工で無事に完成させたい」と話している。

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