復原された八角形の天井ドーム |
辰野金吾が設計した東京駅丸の内駅舎は、1914(大正3)年に創建。赤レンガのその堂々たる姿で多くの人びとに愛されてきたが、45(昭和20)年の東京大空襲でシンボルだった南北のドームや屋根・内装を焼失。戦後、3階建ての駅舎を2階建て駅舎に復興した。
今回の工事では、駅、ホテル、ギャラリーの機能向上の観点から2層の地下躯体を新設するとともに、地下躯体上部にアイソレータ約350台とオイルダンパー約160台の免震装置を設置。3月に巨大地震にも対応できる日本最大規模の免震化が完了した。
八角形のドーム内部は直径約20m。壁面の色は文献などを参考に「黄卵色(おうらんしょく)」を採用。天井付近にあった干支(えと)のレリーフや鷲の彫刻などの装飾も写真などを基に忠実に再現している。
進藤隆之JR東日本建設工事部次長は、「国の重要文化財に指定され、文化的・景観的にも価値があることから、建て替えではなく復原することにした。親しまれ、愛される駅を安全施工で無事に完成させたい」と話している。
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