大井JCTから見た品川線の入り口 |
掘進を終えた北行きのシールド機 |
中央環状線唯一の未開通区間である品川線は、大橋JCT~大井JCT間の9・4㌔で、このうちの約8㌔がシールドトンネルとなっている。開通すれば供用済みの新宿線と合わせ、総延長18・2㌔の長大トンネルが形成される。その長さは、大都市部の地下空間でありながら、道路トンネルとしてノルウェーのラルダールトンネル(24・5㌔)に次ぐ世界2位となる。
世界的な記録はこのほかにもあり、首都高側のシールドでは、最速月進708mという世界2位の記録を樹立。都側でも同637mの高速施工を達成した。掘削土の再利用など関連する工程を伴っての実績で、掘進スピード自体はまだまだ上げられるという。
長距離掘削によるスケールメリットが奏功し、コスト縮減にも寄与した。全体事業費は当初4000億円と試算していたが、現時点では3750億円と、250億円ほどの抑制につながる見通しだ。
地下10数m、最深で約50mの地中を進んだ2本のシールドは、12mの外径を持ちながら、約3mの距離を隔てて並行している。上下に重なるJCT付近では、最接近距離30cmという神業的な施工を成し遂げた。
本線シールドの施工は、都側を大成建設・大豊建設・錢高組JV、首都高側を鹿島・熊谷組・五洋建設JVが担当。シールドを地上から発進して斜めに掘り進み、Uターンして地上に戻る「URUP工法」で構築した大井地区トンネルは、大林組・西武建設・京急建設JVが施工。大橋連結路の上下2本のシールドは、ハザマが手掛けた。
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