オーストリアのルーカスラング社(LUKAS LANG)は、部材をすべて工業化した木造建築システムを開発した。決まった部材で構成されるため品質にばらつきがなく、部材製作、施工を含めた人件費を大幅に抑えることができる。また、解体後に別の場所に運び、組み立て直せるほか、ユニット構成のため増築、減築がしやすい100%リサイクル可能な建築となる。日本を含むアジアでの展開を視野に、パートナーを募集している。
同社の工法は、集成材、金具など工場で作られた1200種類の部材を現場で組み立てるシステム。一般住宅だけでなく、オフィスや学校、災害時の仮設住宅への利用を視野に入れている。オーストリアを中心に欧州で、総延べ床面積約2万㎡の施工実績がある。最大のもので3階建て延べ約1000㎡のオフィスを実現している。
建築構造は集成材の柱梁床で構成する木造で、標準断面は柱が直径20cm、梁が20×26cm。現在は1・4m四方のパーツを組み合わせて使っているが、将来は日本に適した仕様への変更を見込んでいる。物件ごとに一部オリジナルの部材を使用することもできる。
工期は、オーストリアであれば受注から引き渡しまで4カ月しかかからない。工期は延べ120㎡であれば作業員4人、2週間で完成する。
同社の代表者は「日本は木材資源の利用に力を入れていると聞いた。日本の伝統的な工法にわれわれの開発した技術を合わせたい」と、国産材の活用促進を含めて日本での展開に意欲をみせている。
日本国内では、防耐火、耐震などの規制をクリアする必要があるため、国内パートナーを募集して基盤を固める考えだ。
『新しい木造住宅[計画・設計・施工]マニュアル』 AmazonLink
0 コメント :
コメントを投稿