2012/05/30

龍安寺、アルハンブラ違いと共通点を分析 スペイン、日本の建築家が交流

 スペインの建築非営利団体、フンダシオン・アルキテクトゥーラ・コンテンポラネア(現代建築財団)は、東京・市ヶ谷のセルバンテス東京で、「メイド・イン・スペイン」イベントの最終カンファレンスを開いた=写真。

 カンファレンスでは、スペイン・グラナダ大の建築デザイン教授アントニオ・ヒメネス氏が基調講演し、京都・龍安寺の方丈庭園と、グラナダのアルハンブラ宮殿の庭園の共通点や違いを分析、加えて氏が修復にかかわってきたトーレ・デル・オメナヘという歴史遺産のプロジェクトも紹介した。
 その後、司会を務めたマル・ローレン氏と、建築家で東京電機大大学院講師の長友大輔氏の3氏で、日本とスペインのアンダルシア地方との共通点などについて討議した。
 ヒメネス氏は、「アンダルシア地方は、大きく東洋の影響を受けている。日本の都市は、古い建築と現代建築が見事に融合してすばらしい。歴史があることは、未来への厚みにもつながる」とコメントした。
 長友氏は「(ヒメネス氏が)イスラムからスペインへと1000年以上もの歴史を持つ建築の修復に携わったことを尊敬する。日本人から見ると東京の都市計画はあまり評価されていないが、逆に評価するという考え方にも感心した」と話した。
 「メイド・イン・スペイン」イベントは、2009年から始まり、ヨーロッパ、ラテンアメリカと毎年開催され、今回で3回目。ことしはクアラルンプール、上海、東京のアジア3都市でカンファレンスを開き、スペインの建築普及と他国との交流などを目的としている。

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