2012/05/08

建築にプログラミング導入 米国コロンビア大院が日本に研究スタジオ

4月11日の第1回、「GSAPP11」
 米国・コロンビア大学大学院建築学部が、世界各地で「STUDIO-X」という研究拠点を設置し、さまざまな情報発信や意見交換を試みている。日本では、東京都港区のShibaura Houseに「STUDIO-X TOKYO」を設置、プログラミングなど先端的な手法を建築に取り込む試みを展開している。

 第1回は4月11日に開いた。ゲストにワタリウム美術館キュレイターの和多利浩一氏を招き、コロンビア大准教授の工藤国雄氏、建築家の廣瀬大輔氏とのパネルディスカッションなどを行った。
 レクチャーでは、廣瀬氏が震災後のいわき市で行ったワークショップの成果を報告した後、和多利氏が過去のワタリウム美術館での展示などを紹介し、アートから見たランドスケープについて講演した。この中で和多利氏は「東京の土地は、10cm四方のスペースでアンディ・ウォーホルの絵が買えるほどの価値がある。このような土地ではたまに発生する“アキ"を活用しておもしろいものを発信していきたい」と語った。
 パネルディスカッションでは、「建築の目指す先は」という問いが提起された。この問いに対し、工藤氏はルイス・カーンの言葉「存在しないことが建築」を引用し、「建築物をつくっていく課程こそが建築」と説いた。
 STUDIO-X TOKYOでは、毎月11日に定期的に開いていく予定で、「GSAPP11」としてレクチャーシリーズを行っていく。
 第2回は、プログラミングのスペシャリストを招き、「CODE DOJO」と題して参加者とプログラムコードによる対決を行う。入場無料。時間は午後3時から。

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