江戸城の南東面イメージ (復元設計広島大学大学院三浦正幸研究室、 CG制作エス社、 提供認定NPO法人江戸城再建を目指す会) |
現存する台座の石垣 |
◇超大型の木造建築
JTBでの海外勤務を経て、東京観光財団(TCVB)の初代専務理事を務めた江戸城再建を目指す会の小竹理事長は「海外に行くと各国のお国自慢を聞かされるが、日本人は海外の人にお国自慢ができない。失いつつある夢や誇りを取り戻し、日本人のアイデンティティーを回復したい」と思いを込める。
目指す会は「世界に類をみない伝統と文化を持つ国のシンボルをつくる」(小竹理事長)ことを出発点に、04年末に任意団体として設立され、06年にNPO法人化、11年に国税庁から「認定NPO法人」に認められるなど、着実に歩みを進めてきた。
ことし2月に開いた総会では、実現までのロードマップが示され、再建運動は具体化に向けて本格的に動き出した。
江戸城再建に当たって、構造は木造とすることが決まった。適切に修復すれば長期間にわたって使い続けることができる。天守の高さは約45mで、石垣を含めると59mとなる。現存する木造城郭建築の中で最大の姫路城と比べ、1階の床面積は2・5倍以上、同高さ1・5倍、全体体積は3・5倍の超大型木造建築だ。
◇規制、費用に課題
現存する唯一の設計図「建地割図」をもとに立面、断面の復元図を作成した三浦正幸広島大大学院教授は「木造で再建できれば、外国から日本への尊敬が高まるはず。大規模木造建築には、それだけの威力がある」と力を込める。
再建するためのポイントの1つはヒノキの通し柱。2階から3階には60cm角、長さ15mの通し柱が13本使われる。直径1m、樹齢にすると500-1000年のヒノキが必要だ。それほどのヒノキの巨木を調達することは困難に思えるが「節があっても構わなければ、確保することは可能」(三浦教授)とみられる。
また、大型木造建築は、特に耐火性能の観点から建築基準法の規制により建てにくい状況にある。いまのところ、具体的な解決策は見出せていないが「法律や建築構造的な問題について、第三者機関に諮問することを考えている」(小竹理事長)。客観的に建設可能であることを認めてもらうことで、具体化のための第一歩を踏みだそうとしている。
もう一つの大きな課題は、建設費。いまのところどれだけの費用がかかるか算出はしていないが、「RC造であれば300億-400億円前後」(小竹理事長)とみている。木造とするため、この数字よりは大きくなる。また、台座の石垣は現在、皇居の東御苑内にあり、建築物の建設に当たっては一般的な場所よりもハードルは高くなることが考えられる。
◇実現へ活動強化
目指す会が目標とする完成時期は、東京が候補地の一つとなっている五輪の開催に合わせ、2020年を予定している。小竹理事長は「五輪の開催地が東京に決まれば、都市が大きく動く。東京全体が沸き上がる」と再建の追い風に期待する。
目標に向けて、12年度から一般向けの広報活動を強化する。さらに「何の資金的、政治的バックアップもないまま、いつまでも“目指す会"と言い続けるわけにはいかない」(小竹理事長)という観点から、13年をめどに、再建を目指す会から再建する会へ移行する予定だ。
すでに会員は2500人を超え、期待感は高まっている。超えなければならないハードルは高いが、専門家の知恵を借りながら実現に向かう。
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Google SketchUpで寛永度江戸城天守の3Dモデル(イメージ)を作成し、3Dギャラリーで公開しています。Google Earthで現代の東京で配置して眺めることができます。
返信削除>> https://plus.google.com/photos/104104140735963267269/albums/5751614740842121633
>> http://sketchup.google.com/3dwarehouse/details?mid=3f31947509d5053d92e36b50e78f27a1
賛成!
返信削除東京五輪のシンボルとして再建してほしい
(エレベーターとか付けないでください)
江戸幕府の、武断政治から文治政治への転換の象徴である歴史的遺産を、「破壊」するのは、絶対にやめて頂きたい。日本人のアイデンティティーを、天守再建で回復する、という理屈も、大層おバカな発想である。
返信削除まったくその通り。天守閣が無い(天守閣を再建しない決断をした)事が重要なのだ。保科正之公が草葉の陰で泣くぞ。
返信削除焼失した江戸天守、なんでこれが新しいシンボルなのか理解に苦しむ
返信削除勝手な思い入れで勝手な団体がやっているだけ
建築学会も相手にしていないから
どちらかと言えば直接無関係な都市計画学会とかを巻き込んでいるんだろうけど