東京都と小田急電鉄、世田谷区、渋谷区は20日、小田急下北沢駅で小田急小田原線立体交差化竣工の記念式典を開いた。同事業では代々木上原駅~梅ヶ丘駅間の約2.2㎞を地下化し、9カ所の踏切を解消した。東京都が事業主体となり小田急電鉄と共同で進めていたもので、東北沢、下北沢、世田谷代田の3駅も地下化された。
式典の冒頭、野口宏幸東京都建設局次長が「踏切解消は地域分断の解消や地域活性化に資する事業。沿線地域のさらなる発展を期待する。都内の慢性的な渋滞解消に向け、整備を進めていきたい」とあいさつした。続いて保坂展人世田谷区長が「地下化により、区民の悲願であった開かずの踏切が解消された。今後もさらに難しい工事が控えていると聞いている。まちのにぎわいや個性が確保できるような整備を進めてほしい」、古川満久渋谷区副区長が「鉄道が地下化し、交通の円滑化はもとより、歩行者の安全確保や地域活性化などの効果が期待できる。沿線住民にとってよりよいまちづくりが進むことを願う」と今後の期待を語った。山木利満小田急電鉄社長は「閑静な住宅街と商業などが近接した地域での工事で、電車を止めることなく工事を進めた。地下線への切り替え後も鉄道の安全・安定輸送が実施できている。約8年半の工期を無事故・無災害で進められたことをうれしく思う」と述べた。
その後、下北沢駅の地下切り替え工事記録映像の上映に続き、くす玉を割り、完成を祝った。
同区間では、小田急電鉄の複々線化事業も進められており、今後3駅で地上駅舎の建設や下北沢駅の緩行線、改札階などの整備を進める。
各工区の施工者は次のとおり。
▽第1工区(代々木上原駅~東北沢駅、東北沢駅)=大林組・鉄建・五洋建設JV▽第2工区(東北沢駅~下北沢駅間)=戸田建設・東急建設・大和小田急JV▽第3工区(下北沢駅~世田谷代田駅間、下北沢駅)=大成建設・前田建設工業・西松建設・錢高組・三井住友建設JV▽第4工区(世田谷代田駅)=清水建設・鴻池組・大豊建設JV▽第5工区(世田谷代田駅~梅ヶ丘駅)=鹿島・奥村組JV。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年4月23日
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