水戸市で進む大工町1丁目地区第一種市街地再開発事業の施設建築物「TOMOS MITO」(トモスみと)が完成した。国、茨城県、水戸市をはじめとする行政機関、地元の企業や住民の強い想いからスタートしたこのプロジェクトは、ホテル棟、業務棟、住宅棟、駐車場棟の4つで構成する街を新たに生み出すことで、水戸市の西の玄関口に相応しい、賑わいと潤いのある都市・生活拠点を形成する。設計監修はデザインの森、設計は長谷工コーポレーション、施工は長谷工・株木建設共同企業体。各者は高い技術力と優れた安全性を発揮し、工事を無事竣工へと導いた。
◇設計メモ
地形生かし自然を取り込む配棟
「大工町1丁目地区第一種市街地再開発事業」は、JR常磐線などの主要ターミナル駅である「水戸駅」を最寄りとし、水戸市周辺の風致地区や歴史・観光要素を結ぶ中央部に位置しています。
本プロジェクトは、水戸大工町の再開発街づくり計画のコンセプトに沿い、観光地として名高い偕楽園や千波湖を有する千波公園に近接した立地を生かしながら、中心市街地の西の玄関口に相応しい拠点を形成するためにホテル、共同住宅、オフィスという多様な機能を導入しました。
全体計画では、水戸台地の馬の背部分になる地形を生かし、千波湖・偕楽園など周辺の豊かな自然を取り込んだ景観を確保する配棟としました。また、傾斜地のレベル変化を生かし、各棟への歩行者と車の動線を機能的に整理しています。
ホテル棟の計画では、地域の人々に親しまれ賑わいと潤いのある施設をコンセプトとし、低層部では歩行者モールのオープンカフェやホテルレストランにより賑わいと楽しさを、敷地周辺の四季折々の表情をみせる樹木や植栽により潤いを演出しました。また、宴会場・チャペル・客室などを含む外観は、インターナショナルで現代的なデザインを施しました。
住宅棟の計画では、全戸南向きで上層階は千波湖を望むレイクビューで高台立地を生かした配棟計画としました。住戸プランは若年層から高齢層と幅広い層をターゲットとし、70㎡台ファミリー向けを中心に、50㎡2LDKから100㎡台4LDKのバリエーションのある構成としました。
オフィス棟の計画では、システム天井の割り付けのモジュールに整合した、合理的で経済的な7200mmのスパン割とし、貸室内部に柱が極力出ない計画としました。基準階は最大6分割が可能。竪管の設置により、貸室内部に排水設備の設置も可能です。トイレはゆったりとしたスペースを確保し、女子トイレにはパウダーコーナーも設置されています。
(長谷工コーポレーション エンジニアリング事業部 第四設計室 ゼネラルプランナー 瀧澤 隆)
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年4月24日
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