2013/04/22

【全作品掲載!】地下鉄銀座線の駅デザインコンペ 最優秀賞に丹青社の笠原氏ら


東京地下鉄が実施した銀座線駅デザインコンペの最優秀賞に丹青社の笠原孝一氏(CS事業部デザイン統括部シニアデザインディレクター)ら5人の作品が選ばれた。地上から浅い造りであるという銀座線の特徴に着目し、地上と一体化した駅空間のデザインを提案した。日本最古の地下鉄として、開業当時の利用者が感じた「あこがれ感」を味わうことができる駅の具現化を目指すとしている。今回のコンペでは銀座線全駅のリニューアルに当たり、『伝統×先端の融合』を路線コンセプトとした上で、下町エリアとして上野、稲荷町、神田の3駅のデザインを募った。以下に入選作を全作品掲載する。




最優秀賞
◇最優秀は「昭和のオフィス街」がテーマ

 最優秀作品は、土地の記憶に沿って3駅のテーマを設定。「昭和のオフィス街」をテーマとした神田駅では、オフィスビルの小窓を意識した矩形をタイルで表現し、懐かしさのにじむ空間を演出。地上出入り口にはサイネージを設置し、地上で運行状況などの情報が得られるなど利便性を高める。
 上野駅では、「美術館のある街」をテーマに、天井まで立ち上げた安全柵をクリアガラスとし、プラットホーム側を美術館の外壁と回廊、線路側を銀座線の歴史を示す保存空間と見立て、同線の「伝統と未来」を象徴的に表現するとした。「佇む街並み」をテーマとした稲荷町駅は、ホーム天井部を家の屋根が連なるようなフォルムとし、壁面も木目調とすることで温かみのある落ち着いた空間を創出するとしている。
 同社では他のエリアでも順次デザイン公募を行う予定。同線開業90年となる2017年度までに浅草~京橋間、22年度までに全駅のリニューアルを完成させる予定だ。投資額は約500億円を見込む。

◇中学生から71歳までが応募

 18日に開かれた表彰式では、審査委員長を務めた同社の入江健二常務が笠原氏ら受賞者に表彰状やトロフィーなどを手渡した後、「中学生から71歳の高齢者まで幅広い人から応募いただき、力作ぞろいで選考では頭を悩ませた。提案いただいたデザインを実施設計に反映させ、利用者に楽しみに思ってもらえる駅にしたい」と講評した。
*   *
 最優秀以外の受賞者は次のとおり(敬称略)
 ▽優秀賞=山川智嗣ほか1人(トモヤマカワデザイン)、清水悟巳ほか4人(ジェイアール東日本建築設計事務所)
 ▽入選=田村秀規(PODA一級建築士事務所)、梅村直裕ほか3人(ジェイアール東日本建築設計事務所)、松原弘典ほか2人(東京松原弘典建築設計事務所)、小笠原浩幸(eau)、小野淳ほか5人(ジェイアール東日本建築設計事務所)、石坂久志ほか11人(復建エンジニヤリング)
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年4月22日

優秀賞
山川智嗣ほか1人(トモヤマカワデザイン)
優秀賞
清水悟巳ほか4人(ジェイアール東日本建築設計事務所)
入選
田村秀規(PODA一級建築士事務所)

梅村直裕ほか3人(ジェイアール東日本建築設計事務所)

松原弘典ほか2人(東京松原弘典建築設計事務所)

小笠原浩幸(eau)

小野淳ほか5人(ジェイアール東日本建築設計事務所)

石坂久志ほか11人(復建エンジニヤリング)


 

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