健康長寿都市をうたう長野県佐久市で、日本道路グループのスポーツメディア(本社・東京都港区、岡上貞夫社長)が運営するフィットネス施設「アクネス佐久平」。スイミングクラブやデイサービス、温浴施設などの運営を通じ、同社がこれまでに培ってきた実績とノウハウの集合体ともいえる同施設の事業領域が拡大中だ。“泳がないプール"での水中運動プログラムが高齢者にうけ、口コミで利用客も増加。新たに、地元佐久市から介護予防トレーニング事業を受託したほか、評判を聞きつけた別の自治体でも出前教室を開いている。
アクネス佐久平(三河田482-1)は、遊休地となっていた日本道路の出張所跡地を有効活用して建設。高齢化が進む地方都市での運動指導サービスの提供を中核に、2010年7月に開業した。
トレーニングルームやスタジオといった一般的なフィットネス施設を備えつつ、メーンの温水プールを水中運動専用としたのが最大の特徴だ。外周30mの円形プールでは、水中運動の第一人者、野村武男筑波大名誉教授監修のプログラムを提供している。
プールを円形にすることで、水中を歩く際の混雑を防ぐほか、外側を歩くため、急に体調が悪くなった場合でも、すぐに体を支えられる。水深は1mに抑え安全に配慮した。
開業3年目。当初は認知度も低く集客に苦戦したが、現在の会員数は計画の300人に対し、250人まで増えてきた。会員の半数以上は、60歳以上の高齢者となっている。
◇デイサービスも併設
さらに、同施設にはデイサービスも併設し、水中運動を中心とした午前、午後3時間ずつの機能訓練サービスを行っている。リハビリ的な運動や半日滞在など、従来型のデイサービスにはなかったコンセプトが好評を博す。岡田敦史支配人によると、「デイサービスで水中運動を実施するのは珍しい。いまでは、お客さまがお客さまを呼び込んでくれている」という。
また、12年度からは、佐久市の委託を受け、一般高齢者向けの介護予防トレーニングを定期的に開催。須坂市では、市内温泉施設にインストラクターを派遣し、運動指導を行う新規事業をスタートした。
岡上社長は「自施設の事業だけでなく、自治体主催の委託事業も積極的に行うことで、地域への浸透を深めていきたい」と話す。加えて、地域医療機関と連携した運動療法や術後リハビリなどのメディカルフィットネスも、広げていきたい考えだ。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年4月5日
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