2013/04/16

【首都高】150tの巨大橋桁を夜間一括架設 汐留・八重洲線架替え

首都高速道路会社は14日未明、東京都港区の汐先橋交差点付近で進めている八重洲線架替工事で、長さ約34m、重さ約150tの巨大な橋桁を多軸台車で運搬し、吊上設備を使って一晩で一括架設した。作業員40人、交通誘導員110人など計約200人が作業に当たった。


架設直前の様子
同交差点地下には東京都の都市計画道路環状2号線事業のトンネル区間があり、八重洲線橋脚の基礎構造がトンネル建設の支障となることから、首都高は都から工事を受託して橋脚の撤去・新設と橋桁の架け替えを実施している。工事は橋桁の撤去・新設がIHIインフラシステム、橋脚の基礎工事は清水建設が担当している。
 橋桁の架設に当たっては交差点の通行止め回数を1回に抑えるため、地組み後に自走可能な多軸台車で運搬し、吊上設備で一括架設する工法を採用した。
 当日は、5軸と3軸の2台を連結した計8軸の多軸台車(タイヤ本数64本)に、重さ約150t(長さ約34m、幅8.6m、高さ3.4m)の橋桁を載せ、1人のオペレーターが卓越したリモコン操作によって、信号設備などがある狭い交差点のスペースを上手く切り回しながら地組ヤードから架設位置まで運搬した。
架設完了
吊上設備は現場に合わせて製作した長さ22.5m、幅2.2m、高さ14.2mのものと桁の上に載せた2基を使用。吊り能力は各140tの計280tで、巨大な橋桁を所定の3.3mの位置までジャッキで吊り上げて架設。息の合った工程どおりの連携プレーで約2時間40分の短時間で作業を完了させた。
 多軸台車と吊上設備を使用した一括架設は計4回行われる予定で、今回の北行き(銀座方向)に設置した工事はその1回目となる。今後は5月中旬に南行き(芝浦方向)、9月上旬に北行きと南行きの各桁を同時期に一括架設する。これらの取り組みにより、当初の計画よりも工期を約2カ月短縮し、ことし12月の通行止め解除を目指す。
建設通信新聞(見本紙をお送りします!)2013年4月16日

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