2014/03/27

【特別公開】重文「住友活機園」 明治の大邸宅で新緑を愛でる

意匠の完成度と明治後期の大邸宅の姿を今に伝える
住友林業所有の重要文化財「住友活機園」(大津市)が5月23、24の両日に限り、特別公開される。瀬田川のほとりに位置する住友活機園は琵琶湖にほど近い小高い丘の上にあり、洋館や和館など6棟の建物と茶室などの付属施設で構成。庭園には多くの紅葉を配しており、公開時には新緑にあふれた風景が楽しめるという。

 近代・住友の基礎を築いた第2代総理事の伊庭貞剛翁が自らの隠居住まいとして建設した。没後は子孫が旧住友本社に寄付し、住友グループが維持管理を行うとともに、住友の歴史を学ぶ研修施設としても活用している。意匠完成度の高さに加え、明治後期の大邸宅の姿を今に伝えていることが評価され、2002年5月に重要文化財の指定を受けた。
 見どころは多く、名棟梁・八木甚兵衛の技に加え、アール・ヌーヴォーを採り入れた野口孫市博士の設計手法。バリアフリーを先取りした建物でもあり、階段の勾配や敷居の高さ、サンルームなどに人の暮らしを気遣う配慮が見られる。「活機」とは、翁自身が名付けた。「俗世を離れながらも人情の機微に通じる」という禅宗思想の意味を持っている。
 特別公開は年1回のペースで企画されている。入園料は500円だが、見学は抽選となり、今回は2日間で約200人を予定。申し込みは往復はがきに氏名、住所、電話番号などを明記。4月19日まで受け付けている。申し込みの詳細は住友活機園ホームページで。問い合わせは住友活機園・電話077-537-1568。
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