木造住宅『森の舟屋』 |
受賞した住宅は、シンプルな方形の平屋建てを覆う緩やかな勾配屋根が深い軒先をつくる。軒下では、ウッドデッキが高床式を採用した住宅の周囲をぐるりと囲み、床下の風通しを良くするとともに独特の“浮遊感”を住宅にもたらしている。
敷地(越谷市)の緑を残すため、施主から「景観を壊さないでほしい」と強く要望されたのが発想のきっかけ。「外から見ても建物を意識しないですむ」ように、外観には自然に馴染みやすい木材を全面的に使用し、素朴な味わいを引き出した。なおかつ低層に抑えることで周囲の自然に隠れるようシンプルにデザインした。
「木造住宅のコンシェルジュを目指す」というほど木へのこだわりは強く、設計者の枠を超え、いつしか工事の現場代理人を務めるまでに。「腕の良い職人さんとツーカーの間柄で仕事できている。直接工事を担当することで自分が表現したいことを作り手に直接お願いできるのは大きい」と手応えを感じる。
「施工者となることで背負うリスクは高いが、自分の手でできることはやりたい」とさらなる高みを目指して木造住宅を追究する。
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