総合都市プラザが機能を代替する久留米市民会館 |
◇選定委は日建設計を1位に
プロポーザルは、学識経験者ら6人で構成する設計者選定委員会(委員長・竹下輝和九州大教授)が審査した。代表企業には9者が参加表明、1次審査で6者を選定し、2次審査となる公開プレゼンテーションを実施した。審査結果は、日建設計が257・19点で1位、香山壽夫建築研究所が255・78点で2位としたが、「小差で優劣がつけがたい」とし、最終的な判断を市に委ねる形となった。
市は、楢原利則市長ら幹部で構成する政策会議で審査結果を協議し、技術提案を評価する2次審査での得点が最も高く、審査員の支持も多かった点やコンセプトに対する企画立案能力、創造性が魅力的で取り組み意欲の高いことから、香山壽夫建築研究所を最優秀者、日建設計を優秀者に決めた。小差とはいえ、選定委員会の結論を覆す、異例の結果となった。
審査委員会の講評では、香山案は総合都市プラザに求める機能をバランスよく配置し、その空間を実現するためのホール機能や環境機能の提案、説得力のある空間計画など、多様な「都市広場」を連結した魅力的な提案と評価している。ただ、街区間道路上に設けるサークルロビー、ギャラリーロビーの実現性や街区を取り巻くように配置されている商業店舗の合意形成を課題としている。
◇地元代表はDENグループ
一方、地元企業は応募のあった3グループの技術提案書を審査委員会で審査し、DENグループを79・49点で1位、石井建築設計事務所・木村介一級建築士事務所・立石建築事務所グループを61・16点で2位とした。政策会議でも審査結果どおり、DENグループを最優秀者、石井グループを優秀者に決定した。
総合都市プラザは、同市六ツ門8番街区第一種市街地再開発事業で建設される再開発施設の床を利用して市が整備する。施設は、ホールとコンベンションの機能を備えた広域文化交流促進拠点として計画され、1600席程度以上のメーンホール、300席程度のサブホール、演劇・音楽練習場、楽屋、リハーサル室、展示室(ギャラリー)、会議室、全天候型街イベント広場、駐車場など全体で延べ約2万4000㎡(商業施設を除く)の規模が想定されている。
履行期間は基本設計に150日、実施設計に180日を見込む。13、14年度で工事を進め、15年度の供用開始を目指す。全体事業費は約148億円。
『建築家の仕事とはどういうものか』 香山 寿夫著 AmazonLink
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