2012/04/18

竹中・日立GEらJVで建屋カバー設置始まる 東電福島第一原発4号機

 東京電力は17日、福島第一原子力発電所4号機の建屋カバー設置工事に着手した。使用済燃料プールからの核燃料取り出しに向け、カバー内にはクレーンや燃料取扱機の設置スペースを整備する。主体構造はS造で、大きさは南北約69m、東西約31m、高さ約53m。施工は竹中工務店、日立GEニュークリア・エナジーを中心とするJVが担当する。

 カバーは燃料取り出し作業の環境整備のほか、放射性物質の飛散・拡散抑制を目的に設置する。地震荷重は、建築基準法で定められた地震力の1・5倍を確保。壁面と屋根面は風雨をさえぎる外装材で覆い、上部には勾配をつけて雨水の浸入を防ぐ。
 放射性物質の大気放出を抑えるため、隙間を少なくするとともに、換気設備を整える。排気はフィルタユニットを通じて外部に出す。換気設備の運転状態や排気の放射性物質濃度などは、現場制御盤と免震重要棟に表示され、異常時には警報を発する。
 4号機では2011年11月26日から、原子炉建屋上部のがれき撤去工事を実施。現在は、建屋内のオペレーティングフロア上部のがれき除去を進めている。4月下旬には新たに、同フロア上に有人の小型重機を設置し、作業に当たる計画だ。
 カバー設置工事は、がれき撤去の進捗を見ながら行っていくことになるが、13年度第2-3四半期には完了したい考え。17日からは最初の工程として、クレーン支持用架構の基礎地盤の改良工事に着手した。
 また、12年末までには燃料取扱設備の設置工事にも取り掛かる方針。13年末には、プールからの燃料取り出し作業に入る目標を立てている。
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