2012/04/25

最下階から格子状連壁/建物利用しながら地盤改良

 竹中工務店は、既存建物直下に格子状連壁を構築する液状化対策工法「コンパクト・ジオラティス工法」を開発した。建物の最下階から小型の掘削機を使い、地盤中に柱状改良体による格子状連壁を構築する。施工階より上のフロアは通常どおり使用できるのが特徴で、すでに東京都江東区庁舎で適用している。同社は今後、積極的な提案を進め、潜在市場の掘り起こしにつなげたい考えだ。  同工法は、液状化対策として地中に格子状連壁を作る「TOFT工法」を応用し、既存建物にも適用できるようにした。高圧噴射による改良体は、汎用的な小型の施工機械を使って構築するため、最低2.4m程度の天井高さがあれば施工可能だ。  江東区役所の場合、1階の駐車場部分から地中に改良体を施工する。計270本の円柱改良体をつなげて格子状連壁を構築する計画で、通常は直径1mの改良径を2.3mに拡大することで床にあける穴の数を削減する。2階以上のフロアは通常どおりの業務を続けることができるほか、駐車場もエリア分けして施工することで影響を最小限に抑える計画だ。  同社は今後、オフィスや病院、工場などの既存建築物に対して同工法を積極的に提案していく。

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